【赤羽 業】悪魔の誘い

悪魔10 ページ11

Aside



私に男性経験なんて無い



今の彼氏は初めての彼氏で
キスは勿論、手を繋いだことさえなかった



だから



「体、固いよ」



『…めて…。……もう、やめて』



「…君ってつまらない女だね」



私の上に覆い被さっていた嘘の彼氏
ゆっくりどいてくれた



私は泣きそうな顔を見られたくなくて
両手で顔を隠す



記憶の中の彼氏は絶対にこんなことしない
私に優しく触れてくれないのもわかってる



赤羽「俺が浮気彼氏に代わって
あげてもいいって言ってるのに」



『頼んでない…』



赤羽「別れないの？ソイツと」



『別れてくれないの』



赤羽「ご愁傷様」



むくっと起き上がりふらつきながら寝室へ
早くシャワーを浴びてこの顔をなんとかしたい



シャワーで思い出も
何かも流れてくれればいいけど



楽しかった思い出ぐらいはある
付き合った当初は楽しかった



『どこまでついてくるの？』



着替えを持って洗面所のドアを閉めようとしたが
赤い悪魔がドアを閉めさせてくれない



赤羽「俺達、一定の距離離れられないから」



『は？』



赤羽「一定距離離れると
俺が１人になったことになって契約違反」



『……寝るだけじゃなくて
お風呂も一緒に入れってこと？』



赤羽「何度も言ってるけど人間に興味ない」



変態悪魔
ポコポコと何度も叩いた

悪魔11→←悪魔9

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す