138話 ページ11
ー貴方sideー
あれから他愛もない話で時間を過ごした。
時折り壁を、天井を、何かが這いずるような音がしていた。
…ちょっと怖かった。
___…この時の俺はまだ知らなかった。一刻、一刻と迫り来るこれ以上の恐怖に。
・
・
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貴「…なあ、レント。ヒミコ。」
ト「！なんですか？」
レ「…なんですか」
反応の差よ()
あ、あれからレントとトガはこの部屋にずっと居ました。
トガが時折りナイフを向けてきたから、多分そういう個性なんだろうなーと思ってる。
雑か、俺←
貴「二人はなんで敵連合に？」
ト「んー…私は居たいからです！なんとなく、っていうんですかね。」
貴「そうか。…伝わった。」
ト「えへへ…」
頬杖をつきながらはにかむ彼女は、
…どこか辛そうだった。
レ「…僕は、言いません。
…言いたく、ないです。」
貴「そっか。ありがと。」
レントは拳を握りしめ、唇を噛んだ。
…聞かない方が良かったな。
ト「…天地くん、なんで今聞いたんですか？」
貴「っご、ごめん。聞かない方が良かった、よな。」
ト「ああ、違うんです！怒ってるんじゃないんです！
ただ、少し、気になって…」
何故聞いたか、か。
貴「…なんとなく、かな。」
トガは驚いたような表情をし、俺の目を見つめた。
…綺麗な金色の目。羨ましい。
ト「なんとなく、ですか。」
貴「うん。多分。
…二人とも、俺から見たら普通の高校生で、ニュースで見るような凶悪な敵には見えなくてさ。
二人が同じクラスに居たら、楽しいだろうなぁ、って思っちゃって。
凶悪には見えないって言ったら、死柄木さんも。彼奴はあんま好きじゃないけどさ、
…やっぱり、嫌いにはなれない。
彼奴も、どこか助けを求めてるみたいに見えて。」
ト「天地くん…」
レ「…」
レントが少しくぐもったような、それでも少し晴れたような表情をする。
…前髪で見えないけどな。
貴「…ねえ、なんでヒーローは敵を助けないんだろう。
なんでヒーローは敵を守らないんだろう。
ヒーローからしたら敵は敵だけど、
敵からしたらヒーローは敵だし、
敵からしたら敵はヒーローとか、英雄じゃん。
…それに、結局みんな人間じゃん。個性がなきゃ、何もできないただの“肉塊”。
なんで殺し合うの。なんで悪だと決めつけるの。
なんで誰かを悪にしなきゃ生きていけないの。
どうして、敵なんて言葉作ったの。
どうして、ヒーローが偉い、みたいに言うの…？」
本音が溢れた。
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ただの死神（大噓） - 面白すぎる…！こんな神作品をありがとうございます…！ﾊﾊｰｯ (2022年7月2日 7時) (
レス) @page30 id: dc8ec99537 (このIDを非表示/違反報告)
金木犀 - 面白くて一気に読んでしまいました。更新楽しみにしてます！ (2022年2月4日 23時) (レス) @page30 id: b5d4ecbe80 (このIDを非表示/違反報告)
wolf(プロフ) - ぽ?さん» ありがとうございますm(_ _)m✨なるべく更新できるように頑張ります！ (2021年11月3日 21時) (レス) id: 82c45eb9bd (このIDを非表示/違反報告)
ぽ? - 失礼します！すごく面白くて、三周してきました!これからも、更新頑張ってください!失礼しました! (2021年10月31日 18時) (レス) @page29 id: f2e7fed4cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：wolf | 作成日時：2021年4月10日 20時
