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さくら、さくら ページ20

高杉side

「ーーこの桜が大きくなりし頃
ここには誰もいないでしょう
それでも桜は遠い遠い
春を乞い春に散るのでしょう

平和うららかな幸せを
共に謡えし友の影よ
ここに深く刻みながら
舞い上がり空に溶けてゆく

星を隠した宝石が
下から空を照らす夜でした
童話のような まるい屋根も
浮かび上がった そんな月夜

いつか土に溶ける花びらのように
溶けてしまいたかった
風に舞い上がる花びらのように
空に吸い込まれたかった

この桜が大きくなりし頃
私もここにいないでしょう
それでも私を忘れないで
春を待ち 花を咲かすでしょう

この桜が大きくなりし頃
ここには誰もいないでしょう
それでも桜は遠い遠い
春を乞い春に散るのでしょう…」



余韻を残して、歌声が霧散する。
歌い終わったAは少し自慢げに、けれど少し気恥ずかしそうに俺らを見つめる。
こういう所はやっぱり女らしいのかと、笑えてしまう。

坂「…まっことお前の歌は格別じゃのう。いつ聞いても惚れ惚れしてしまうわい。」

「ふふ、辰馬らしくもないね。まぁ、ありがとうよ。」

高「なあA、もう一曲頼む。」

「えええ…いい加減金取るぞ?」


そう言って笑いながら、Aはまた息を吸い込んだ。
形のいい唇から、甘く、蕩けるような。美しい旋律が紡がれる。


夜風に溶けて行くその声が、照らされた薄紅の花弁をまた、彩る。
この声が、歌が、音が。
拭いがたい、体の奥底に鉛のように溜まった汚泥を洗い流してくれる。
俺たちは、あの戦場で、確かに。
この少女に、救われていた。


〜〜〜〜〜〜〜〜
使用曲は堀下さゆりさんの「桜」です!
歌詞を使わせていただきましたが、本当に綺麗で美しい曲なので、皆さんぜひ聞いてみてください。

そろそろ攘夷組、過去編は終了に向かい、話は現代に移り変わります。

どんな時でも笑顔は忘れずに→←人は意外な特技を持ってるものだ



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るー(プロフ) - まろ 様 ありがとうございます!! (2018年10月9日 21時) (レス) id: f73768fb7d (このIDを非表示/違反報告)
まろ(プロフ) - 凄く面白いですね! (2018年10月8日 13時) (レス) id: 00309ab547 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:るー | 作成日時:2018年9月16日 19時

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