【東海オンエア】きっと明日の夢は見ない

ep.7 距離 ページ8

てっちゃんと同棲を始めてから半年が過ぎようとしていた。



東海オンエアのメンバーとも徐々に打ち明けていき、みんな女のわたしに対して、遠慮するでもなくまるで昔から友達だったかのように接してくれた。





ただ１人を除いては。








「はい、買い出しじゃんけ〜ん！」





てっちゃんの一言で、みんな文句を言いながらもじゃんけんに参加しようとしている。

やっぱりみんな仲良いな。

そう思いながら、微笑ましく彼らを眺めていたら、




「何やってんの？Aもだよ」




と、まるで当たり前かのようにざわくんに言われた。





「え、わたしも？！」




「当たり前やん、もうAも立派な仲間なんやし！」




そう言いながらにこやかな笑顔を浮かべてわたしの背中を押すりょうくん。
なんだか断れない雰囲気で、半ば強制的にじゃんけんに参加させられた。

仲間って言葉を上手く利用して、自分たちの負担を減らそうとしてるだけな気がする‥

心の中でそんなことを思いながらも、仲間という言葉に少しだけ胸を踊らせる自分がいた。





「はい、行くよ〜！
じゃ〜んけ〜んぽんっ！」








「「あ」」







思わず出てしまった声が、もう１人の声と重なった。




「はい、としみつとA負け〜！
２人で仲良くいってらっしゃい！」





意気揚々と話すりょうくんと裏腹に、明らかに嫌さうな顔のとしみつくん。




やっぱり。




としみつくんはどうやらわたしのことが嫌いみたい。

前から他のメンバーとは違う、壁をとしみつくんだけに感じてた。

わたし何かしちゃったのかな‥
なんて今そんなことを考えていても仕方ない。




とりあえず、




「行こっか、としみつくん」

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