. ページ10
.
『あの、さ。今日放課後空いてたりしない?勉強のこと、聞きたくて』
「あ、ああ。いいよ。」
ちょっとでも期待した自分を殴りたい。彼女が自分のことを心に留めてるとかあるわけないのに。ああおこがましいにも程がある、身の程をわきまえなきゃいけないのは重々承知だ。だが、今のところは頼ってくれたことを素直に喜ぼう。
密かに胸をふくらませた放課後が訪れる。彼女がノートを抱えて前の席に座り、後ろを向く。こういう時、勉強得意でよかったって心底思う。この頭脳を与えてくれた母さんに感謝だ。
『ここなんだけど、公式使っても途中式合わなくて』
「あー、1回見させて」
綺麗にまとめられているが、ノートの端に書かれた計算の跡は少し雑で可愛らしい。好きな相手の人間らしい部分を見ると心が弾むのは普通じゃないのも知っている。集中して一通り理解し、なるべくわかりやすいように言葉を選ぶ。
『あ〜〜!そっか、確かにそうだよね、ここに5が来るわけないか笑』
「そう、前に頭の中で計算してそれを書いちゃったんだと思う」
『多分そう!私暗算しすぎちゃう時あるんだよね』
「分かる、たまに頭が自分を追い越す時ある」
少し砕けた会話が混じってくる頃には、教室には俺と彼女しかいなかった。問題が解決してスッキリしたのか、目の前の彼女は晴れやかな表情だ。
教え終えてしまえば、解散になってしまう。もう少しだけ彼女の瞳に映るのを俺だけにしたい。でも、口下手な俺は何も思い浮かばず、手持ち無沙汰にペンを回すだけ。
『ねぇ、ウォヌくん』
毎回話題をくれるのは彼女からだ。
「なに?」
『ウォヌくんってさ、彼女いたりする、?』
.
154人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なの(プロフ) - 七彩さん» 七彩さん!!!リクエストありがとうございます!lkくんの話ですね!!不良系似合いますよね、、更に学級委員の真面目な子をすきになりそうですよね、、、すごい分かります!!!少々お時間いただきますが、必ず書きますので他作品でも読みながらお待ちください^^ (10月3日 16時) (レス) id: c8ce101485 (このIDを非表示/違反報告)
七彩 - リノの校舎裏では無くリノが校舎裏で、でした!誤字ってしまってすみません!お願いします! (10月3日 13時) (レス) id: 5d577b99f0 (このIDを非表示/違反報告)
七彩 - なっちぃさんいつも見てます。リクエスト失礼します!リノのお話で不良くんと学級委員ちゃんの恋愛物語を作って欲しいです!リノの校舎裏でタバコを吸ってたらたまたま見かけた学級委員ちゃんに一目惚れするって言う感じでお願いします!難しくてすみません! (10月3日 13時) (レス) id: 5d577b99f0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なっちぃ | 作成日時:2023年7月28日 23時