午前四時に慣れない花園 SMside ページ6
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久しぶりに来たよ、この花畑。空が映えて、色鮮やかな花たちが僕を迎え入れてくれる。少し歩くとぽつんとたっている大きな木に着く。木陰にレジャーシートをしいて、持ってきたお弁当を広げる。程よく暖かいそよ風が花の香りを連れてくる。
「気持ちいいね〜」
隣を見ると、いつの間にか君が座っていた。
『あ、れ、いつの間に来てたの』
「スンミナを見つけてすぐかな〜」
おいしそ〜、と弁当箱をつつく君。
『食べる?』
「なに〜?嫌味なのー?スンミナー笑」
そう彼女はこれを食べることが出来ない。久しぶりに見た彼女は、見慣れた白を基調とした姫紫色の花柄のワンピースを身にまとっていた。そういや、いつかの君が僕に尋ねてきたことがあったな。
『ううんわかんない』
「勿忘草。名前は聞いたことあるでしょ?花言葉は私を忘れないで。なんて、スンミナが忘れるわけないか!」
冗談で言っていた花言葉だけど、もちろん僕が君を忘れるなんてことは何度転生したとしても起こりえない。ぼーっと彼女の幸せそうな横顔を見つめていると、ぱちっと目が合った。
「もうスンミナったらこっちみすぎ!」
『ごめんごめん、あんまりにも綺麗だったからさ』
照れたように笑う彼女だけど顔を赤くしたりはしなかった。それから僕たちはしばらくおしゃべりをしたり、花冠を作ったりとのんびりと時をすごした。
気づくとすっかり日は傾いていて、鮮やかだった花の色は一面オレンジを帯びていた。夕日を背景にする君も綺麗で、絵の上手い親友に描かせたいくらいだ。
ずっと元気な彼女もさすがに遊びすぎたのか、花摘みをやめて僕の隣に座った。
「日暮れだね〜」
『うん、きれいな夕焼けだね』
「あ!最後に写真撮ろうよ!」
ほら携帯出して!、と催促されてスマホを取りだし内カメにする。楽しげにポーズを取っている彼女にはどんな画面が写ってるんだろうか。
「ねぇ、シャッター押して!」
『うん』
ハナ
トゥル
セッ
カシャ、と乾いた音を立てて収めたそれには、僕しか写っておらず、スマホを降ろすと、目の前にはたくさんの花に囲まれた十字架が幸せそうに佇んでいた。
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なの(プロフ) - 七彩さん» 七彩さん!!!リクエストありがとうございます!lkくんの話ですね!!不良系似合いますよね、、更に学級委員の真面目な子をすきになりそうですよね、、、すごい分かります!!!少々お時間いただきますが、必ず書きますので他作品でも読みながらお待ちください^^ (10月3日 16時) (レス) id: c8ce101485 (このIDを非表示/違反報告)
七彩 - リノの校舎裏では無くリノが校舎裏で、でした!誤字ってしまってすみません!お願いします! (10月3日 13時) (レス) id: 5d577b99f0 (このIDを非表示/違反報告)
七彩 - なっちぃさんいつも見てます。リクエスト失礼します!リノのお話で不良くんと学級委員ちゃんの恋愛物語を作って欲しいです!リノの校舎裏でタバコを吸ってたらたまたま見かけた学級委員ちゃんに一目惚れするって言う感じでお願いします!難しくてすみません! (10月3日 13時) (レス) id: 5d577b99f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なっちぃ | 作成日時:2023年7月28日 23時