. ページ6
.
『色々聞くから楽にして話して欲しい。まず、なぜ私に名前を明かしてくれたの？』
色々聞く、と言うと少し怖い印象を与えてしまうかもしれないが本当に聞きたいことがありすぎるのだ。清掃時間じゃ絶対足りない。
すいすいっと端末で延長を提出しておく。確認せずとも大丈夫だろう。大体延長というシステムを使う時は、アブノーマルの情報が手に入りそうな時だからだ。
バンチャンが唇を横にぎゅっと結んで、目を泳がせた。、、黒か？職員と親しくなり脱走を図るものがたまにいるが、カレからはそんな雰囲気は感じとれなかった。ぬるい風が両者の頬を撫でた。先に口を開いたのはカレの方だった。
BC「これ、報告書に書くんでしょ？」
『ええ、基本は全て報告。でもそもそも各部屋にカメラは設置してあるから嘘をついたところで、という気がするけれど』
バンチャンは何故か恥ずかしそうにし始めた。意味がわからず、思わず顔をしかめると無機質な声が聞こえる。
「ピンポーン、ラブ、顔を見せに来たよ」
檻の外にいたのは今朝みたばかりの顔だった。
『リノ､､､一日に何度も収容違反しないでくれるかしら、職員にあまり迷惑をかけないでちょうだい。放送が入る前に戻ってくれる？』
つめたいなー、なんて言いながら口から取りだしたロリポップを変形させて、鉄格子の隙間から器用にカードキーを盗んで中に入ってきた。
『返しなさい』
LK「職員サンがそんな無防備でいいの？ガブッとやられちゃうよ？」
『大人しく返したら、収容違反についてはこちらで処理しとくから』
元々返すつもりだったよ、とするりと元の場所にカードキーをしまった。ため息をつきそうになったところをあと少しで耐え、端末を操作し、リノはこちらで監視していることを報告した。
『ちょうどいいわ、あなたもバンチャンの隣に座って。お話、しましょう』
恥ずかしがっていたバンチャンの姿は消え、いつもの穏やかな表情に戻っていた。リノは意外にも大人しく腰を下ろしてくれた。担当したことがないから性格も何もかも分からず対応に困る。またいつ暴れ出すか予想できない状態で、2体のアブノーマルを相手するのも骨が折れそう。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 924人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なの(プロフ) - はりねずみさん» そう言っていただけると大変嬉しいです😭頑張って進めていきます、、、！ (1月6日 22時) (
レス) id: c8ce101485 (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - 苺みるくラテさん» ありがとうございます！なるはやでお届けします！ (1月6日 22時) (レス) id: c8ce101485 (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - ホッキさん» ありがとうございます😭方向性を正すためにいろいろ書き直している途中です、、少しずつですが確実に進めていきますので、気長にお待ちいただけると幸いです🙇♀️ (1月6日 22時) (レス) id: c8ce101485 (このIDを非表示/違反報告)
はりねずみ - 完成度がとても高くて面白いです！更新楽しみにしてます！ (12月26日 8時) (レス) @page50 id: 28eacc8e59 (このIDを非表示/違反報告)
苺みるくラテ(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (12月18日 1時) (レス) id: 00ab994726 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なっちぃ | 作成日時：2023年7月19日 19時
