10.oddness ページ43
.
翌日からまたバリバリと働き始めた。昨日起きた事件の担当をジョンハンさんから直々に任された。解決するまではこっちに専念していいということなので、朝から資料室に入り浸っている。アブノーマルの脱走など、緊急事項がない限りは集中して取り組めそうだ。
しばらくの間は、情報収集になるので地味な作業が続く。もちろん、一週間程度で片付く話ではない。責任感がないわけではないが、ヨンボクに宣言してしまったのは誤りだったかもしれないと思い始めた。
二週間ほどがたってもめぼしい情報を得ることができず、仕事を任せている同僚に対し申し訳なく思ってきた。今日も今日とて、エナジードリンクとプロテインバーを片手にページをめくり始めた。資料が数冊積み重なってきたころ、警報が鳴った。
「”アブノーマルの収容違反を発見。アブノーマルの収容違反を発見。レベルTETH”醜悪な愛嬌”が脱走中。大気中の職員は直ちに捜索に向かってください。もう一度繰り替えします…”」
即座に立ち上がり、デスクにかけてある警棒を手にして外に出た。廊下にもセンサーが張り巡らされており、アブノーマルを認識すると捕縛するシステムになっているのだが、今回のアブノーマルは狡猾なのか、一切反応していない。大体のところには設置されているため、嫌な予感がする。
早歩きで周囲を見渡していると、職員の方を発見した。
『お疲れ様です。どっちを捜索しましたか？』
「あ、そっちを探しましたよ！もう、大変ですよね。脱走脱走って。」
『そうですよね、早く見つけ出しましょう。では、失礼します』
「Aさん！お互い頑張りましょう！」
とても活力的な人だった。ネクタイピンから察するに、防衛対策部の方だと思うが、初めて見る顔だった。あんな個性的な人は、一回見たら忘れないはずだから初対面だったんだろう、でも名前呼んでいたから話したことあるのか？
と思ったが、自分の服を見て納得した。胸ポケットに名札を付けていたのだった。そりゃあ名前がわかるか、と解決した私は捜索に戻った。三十分ほどたって放送が入り、脱走していたアブノーマルが収容されたことを知った。
職員が見つけて捕獲したわけでも、捕縛システムが作動したわけでもなく、気づいたら収容室に入っていたという。不可解なアブノーマルだ、調べる必要性があると感じた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 925人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なの(プロフ) - はりねずみさん» そう言っていただけると大変嬉しいです😭頑張って進めていきます、、、！ (1月6日 22時) (
レス) id: c8ce101485 (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - 苺みるくラテさん» ありがとうございます！なるはやでお届けします！ (1月6日 22時) (レス) id: c8ce101485 (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - ホッキさん» ありがとうございます😭方向性を正すためにいろいろ書き直している途中です、、少しずつですが確実に進めていきますので、気長にお待ちいただけると幸いです🙇♀️ (1月6日 22時) (レス) id: c8ce101485 (このIDを非表示/違反報告)
はりねずみ - 完成度がとても高くて面白いです！更新楽しみにしてます！ (12月26日 8時) (レス) @page50 id: 28eacc8e59 (このIDを非表示/違反報告)
苺みるくラテ(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (12月18日 1時) (レス) id: 00ab994726 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なっちぃ | 作成日時：2023年7月19日 19時
