7.nightmare ページ21
.
「かくれんぼしよ！僕が鬼でAちゃんが逃げてね〜！」
『分かった！』
これは決して幼少期の思い出などでは無い。こんな声をしていた友達はいなかったし、そもそもとして異性の友達はあまりいなかった。
だから分かる。これは赤の他人で、私が勝手につくりあげた空想上の人物だと。
夢という非現実的なものに興味があって調べたことがある。夢に出てくるものや人は、その時の深層心理に基づいているらしい。
疲れた時に出てくるものは嫌だった思い出、楽しかった時に出てくるのは良かった思い出。
そう、そもそもとしてこれは
明晰夢、とやらは私にはできないらしくなんとなくの違和感を抱えつつ時に身を任せなければいけないらしい。
結末は知っている。なのに、体を自由に動かせない。目を覚ますことも出来ない。最初の頃はこれを夢だ、と認識できなかったが大人になるにつれ、これは空想だ、と認識できるようになった。
「もーういーかーい」
『もういーよー』
少年の姿はモヤがかかっていてはっきり見えない。それがまた気持ち悪い。顔が見えても嫌かもだが、その顔が綺麗なものだったらちょっとは気が楽になるかもしれないのに。
生垣の裏に隠れた私。ザクザク、と土を踏む音にスリルを感じる。ここで私は見つかる。
「Aちゃんみっけ！」
『わぁ〜見つかっちゃった。じゃあ次は✕✕君が隠れて！』
「うん！」
名前も聞き取れない。誰なんだこいつは。私の脳内に入り込んできた異物。実在する人物だったら、藁人形でも作って電柱に括り付けてやりたい。
『どこかなぁ』
私はこの後暗くなるまで探し続け、ひとりになる。
『✕✕くん、？どこな、の、？』
『ねぇ、もうかくれんぼ終わりだよ。くらいよお空』
『出てきていいよ、？今日は✕✕くんの勝ちでいいから、ねぇ』
真っ暗闇の中に独り。どこか知らない場所に1人残される気分が分かるだろうか。誰もいない。声も届かない。やがて自分が誰かすら分からなくなっていく。最後に出した言葉はなんだっただろうか。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 924人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なの(プロフ) - はりねずみさん» そう言っていただけると大変嬉しいです😭頑張って進めていきます、、、！ (1月6日 22時) (
レス) id: c8ce101485 (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - 苺みるくラテさん» ありがとうございます！なるはやでお届けします！ (1月6日 22時) (レス) id: c8ce101485 (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - ホッキさん» ありがとうございます😭方向性を正すためにいろいろ書き直している途中です、、少しずつですが確実に進めていきますので、気長にお待ちいただけると幸いです🙇♀️ (1月6日 22時) (レス) id: c8ce101485 (このIDを非表示/違反報告)
はりねずみ - 完成度がとても高くて面白いです！更新楽しみにしてます！ (12月26日 8時) (レス) @page50 id: 28eacc8e59 (このIDを非表示/違反報告)
苺みるくラテ(プロフ) - 更新楽しみにしてます！ (12月18日 1時) (レス) id: 00ab994726 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なっちぃ | 作成日時：2023年7月19日 19時
