壊れた百合は今日も笑う ２

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画面には、チーフマネージャーの名前が表示されていた。





ユンギ君を横目に見ると、出ていいぞ、と言ってくれたので



お言葉に甘えて電話に出た。







「はい、」



『あっ、A様！お疲れ様です』




いつもと比べて、少しだけ落ち着いている声。

何を言おうとしているのか、何となく察しはついた。






「お疲れ様……で、何の用？最初に言っておくけれど私の答えは変わらないわ。」






少しだけキツい言い方になってしまった事を反省する。


でも、はっきり言っておかなければ相手の為にならない事も十分に理解していた。








私には、彼らの指導をこれ以上続ける事は出来ない。

そんな資格は、ないのだから。







『……分かってます。……A様が正式な講師になるつもりはないって事は……』



「……なら、何の用？」




『……パンPDから、今日断られた件の代打案というか……新しく検討して欲しい事を、連絡する様頼まれまして……』




「…………」





本当に、この人達も往生際が悪いというか、しつこいというか……








『す、すみません！…しつこい事は分かってるんです！！ですが、我が社にはどうしてもA様の力が必要なんです！！』






鼻をすする様な音が聞こえて、今彼女がどんな顔をしているのかが電話越しでも理解できた。


…はあ、年上の女性に泣かれると、どうしたらいいか分からなくなるわ。








「……………それで、内容は？」



『っA様！！』



パァっと明るくなる声。









「……言っておくけれど、聞くだけだからね。まだ受けるなんて言ってないわ」




『はいっ！分かってます！！』

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