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92話-side.SC- ページ43
「………っ、…」
ステージを終えた後、俺達はすぐに別室へと案内された。
今日のステージの審査結果が発表されるらしい。
「………ハァ、…はっ……、」
極限の緊張状態で行われたステージは普段の何倍も体力を消耗し、
たった一曲しか披露していないにも関わらずメンバー全員の息が切れていた。
見に来てくれたファンの方々にどう映ったのだろうか。
自分の拳に、ぐっ、と力が入る。
俺は…
俺は、ファンの顔が見えなかった。
曲が終わって、メンバー全員でお礼の挨拶してる時でさえ
そこまで離れていないハズの場所にいるファンの顔が見えなかったんだ。
ファンの顔を見ていなかった訳じゃない。
でもほんの数分前のことが思い出せない。
目の前の人達は笑ってたのか、真顔だったのか
歓声だったのか、罵声だったのか
本当の意味ではファンのことが見えていなかったのかもしれない。
1人、
ただ1人で、
真っ暗な中で踊ってるみたいだった。
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作者名：なすたろ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/chamiko2182/
作成日時：2017年9月11日 13時
