叫び２０ ページ24
コトッ……コトッ
机の上に、今まで食べたことの無い物が
沢山並べられた
どこか懐かしいような……
気の所為？
まぁいいや
『…ねぇ…相澤、これはなんて言うの？』
相｢カレーライスって言うんだ、
食べたこと無いのか？｣
『こんなにも綺麗に盛り付けられた食べ物、
食べたことの無いよ……私なんかが食べて
いいのかな……』
相｢…あぁ、これからは毎日食べていいんだ、
遠慮なんかいらない｣
『そっか……そっ……か……』
にやけそうになる顔を必死に抑えながら、
スプーンを不器用に持った
すると、突然相澤に止められた
相｢いいか、食べる前には、作ってくれた人や、
食べ物に対して感謝の気持ちを込めて、
｢いただきます｣って言わなきゃ駄目なんだ｣
『そぅ、なんだ……』
相｢じゃあ、こうやって手を合わせろ｣
『はっ、はい』
相｢いただきます｣
『い、いただきます……』
……チラッ
相｢食べていいぞ｣
『っ！！うん！』
相(とても言動が高校生とは思えんな……
……無個性、か……)
『あ、相澤、食べないの？』
相｢ん？あぁ、食べる｣
『はむ……ﾓﾑﾓﾑ……？……？？』
相｢？どうした？不味いか？｣
『やっぱり……これ、食べたこと……あるかも』
そうだ、あれは4歳の誕生日……
お母さんは私の大好きなカレーライスを
作ってくれた……私の為に………こんな……私の……
ニッコリとカレーを頬張る私を見つめて、
とても楽しそうにしてた……
私は……お母さんの期待に、答えられなかった……
ポロッ……ポタ、ポタタ……
『美味しい……とっても………』
ごめんなさいお母さん……私、やっぱり最低だ…
死にたくても死ねないなんて、嘘ついて……
自分を騙して……お母さんを悪者にしちゃった…
『……ポタポタ……っ、っ……』
相｢…大丈夫か……？｣
『美味、しい、ありがとう、相澤……』
相｢……そう、か……｣
『……うん、とっても、美味しい……』
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作者名：なぽりたん | 作成日時：2018年9月17日 0時
