灰谷兄弟の脳

33 ページ33

竜胆side



蘭「じゃあ、日常に戻らなきゃな」

『、、、、え？』


俺は部屋に入ろうとした時、兄ちゃんがそういった言葉を聞いた。

Aが連れ去られて、怪我までさせた。
これは、俺たちのせいだ。

甘かった、ちゃんとAが一人の時も何かしら守っていればこんなことにはならなかった。

俺もだけど兄ちゃんだって何処かで分かっていた。

いつかAと離れなければいけないってことを。

俺たちの日常がAの非日常なら日常に返してあげないと。

兄ちゃんから呼ばれた俺は、そのまま兄ちゃんの傍によった。


竜「、、、いいんだよなこれで」

蘭「うん、間違ってないよ竜胆」


俺たちはAには聞こえないように小声で話したあといつも通りの様子でAと話した。

帰り道、


『なんか今日蘭様子おかしかったくない？』

竜「兄ちゃんにもそういう時期があるんだよ」

『いつも反抗期だろお前ら』

竜「そういう事じゃあねぇよ」


Aはよくわかってなさそうに首を傾げると、『まあいいや次会った時また聞こう』と言ってきた。

次なんてない。こんなことを言ったら意味が無くなる。
だから俺はいつも通り「そうだな」と素っ気なく返す。

でも、ひとつだけ聞きたいことがあった。


竜「なあ」

『ん？』

竜「俺たちと居て良かった？」

34→←32

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す