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呪霊や呪術師というのを知らなかったは、知りたくなかったから。
何も知りたくなかった。
それを聞いた私は、バレないように部屋に戻った。
戻って思ったことは、悲しさと怒りだった。
自分の人生なのにやりたいことが出来ない悲しさと、ほぼ仕事で放置だった私を呪詛師と言った道に向かわせようとする両親に対する当てずっぽうな怒り。
その話を聞いた直ぐに、父の父さん。つまり、おじいちゃんが私の家に来た。
工藤和郎。
私に剣術を教えてくれた師匠で、私の尊敬してる人である。
帰宅部だった私は、放課後おじいちゃんから剣術を教わった。
これが直ぐに呪詛師になるためだろうと分かった。
私は、じいちゃんにとある質問をした。
『、、、、どうして剣術なんて教えてくれるの？今どき刀なんて使わないよ。』
そう言うとじいちゃんは｢だははっ｣と、笑いながら言った。
｢そりゃあ決まってんだろ。自分のためさ。｣
『え、』
｢何かあったら刀を振るえ。いつか出来る大切な人を守れ。自分の人生だ。抗うんだぞA。やりたいことやればいいさ。その資格がAにはある。｣
｢決して俺みたいになるなよA。｣
その次の日、じいちゃんが子供を助けて交通事故で亡くなった。
まるで遺言みたいだったじいちゃんの言葉は私の心の中で強く残った。
そこからは、1人で何とかしようと思った。
勉強も運動も人の付き合いも全て1人で頑張った。
どうせ、決められたレールに引きずり込まれるのなら何とか足掻こうと一人で行った。
中2の冬、両親が亡くなったことを知った。
呪術師と言った人に殺されたらしい。
何も感じなかった。
ただ思ったのは、じいちゃんの言ったことのように抗うこと、それと思ったこともあった。
じいちゃんが亡くなり、じいちゃんの葬式に行けば周りの親戚は彼の死を嘲笑うかのように罵っていた。
後で両親に聞くと、道を誤ったと。
つまり、呪詛師の世界から追放されたと知った。
そんなことで笑われるのか、自分の意思を持つことは良くないことなのか。
ああ、こいつらにとって、呪詛師にとってじいちゃんは悪者かもしれないけど私にとってはヒーローだった。
じいちゃんのような、私が思う善人を救いたい。
ーーーーーーーー
呪霊によって殺られてしまった主をいじめていた男子たち。
決して本気でいじめていた訳じゃなくて、ただ主の気を引こうとしていただけなのです、、、。
つまり、そういうこと。
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作者名：nano | 作成日時：2021年1月19日 23時
