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狗巻side
工藤A。
初めて会った時から、なんでかは分からないけど気になってはいた。
呪詛師一家の娘と知ったからだろうか。
そんな彼女がどうして呪術師を、、と思ったからだろうか。
「友達が多い」と聞いてたからノリがいいのかと思ったけど特にそんなことも無くて。
それでも何か人を惹きつけるオーラがあるけどその裏では切ない表情をしていた。
ある日、自販機に向かおうとしたらAが、腕から血を流していた。
俺は怪我でもしたのか焦って、保健室に連れていこうとしたけど、自分の代わりに怪我をした呪霊の怪我を治そうとしていたらしい。
そりゃあ、驚いたし自分の血で呪霊を治すのか、、とも思った。
呪術師は、呪霊を祓うのが基本であって呪霊を助けるという行為は滅多にしないから。
その上に彼女は、自分のせいで怪我をした呪霊に対して申し訳ないと思っている。
会う前までは、「生意気で変人」と聞かれたけど話してみると全然ちがくて、、、優しい人だった。
彼女は良い人だなと思った。
もっと話してみたいと思って、その呪霊に名前はあるのかと聞いたりした。
名前をまさかおにぎりの具にするとは思わなかったし、なにより、俺がいつも話しているからという理由で決めるとも思わなかった。
その時に、俺の事をからかいながら笑った彼女が、凄い可愛いなと思って照れてしまった。
その後も「たかな」を撫でて嬉しそうにしている姿を見ると何故か愛おしくて頭を撫でた。
そうすると、彼女は慣れていないのか照れて笑ってくれた。
この数分で何回可愛いと思ったのか分からない。
でもそれくらい可愛いと思った。
もっと仲良くなりたい、話したい、知りたいと思った俺は名前で呼んでとお願いすると、ぎこちなく呼んでくれて嬉しかった。
また、話したいな。
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作者名:nano | 作成日時:2021年1月19日 23時