盗み聞きしてすまん。 【影山飛雄】

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その後、タイムアウトが入り、お互い休憩する。
その時の選手の熱気は凄かったし、観客も凄かった。
北川のチームが勝つには、相手側の攻撃を阻止して、点を入れるしかない。
つまり、相手側からボールを奪うしかない。
点を入れられてしまえば、勝ち目は少ない。延長をする体力も見るからにないだろう。
互いのチームから、「絶対止める！」「点を入れる！」と選手たちも声をあげて気合が入っていた
日向が飲み物を北川に渡そうと声をかけようとしていたが、怯えたように見えた。
なんだろうと北川を見たら、北川は凄い冷めていた。
冷静だった。
声も上げず、ひたすら冷たい表情をして、飲み物を飲んでいた。
体力がないからなのだろうかと考えていたら、

月島「さすがPGだね、冷静で、頭を使ってる。多分パスカットするために、手段を考えているんだろうね。頭いいし、同じ司令塔でも王様とは違う」

影山「あ？？」

月島の言う通りなら、すごい集中力だ。
疲れていて何も考えたくないはずなのに、休みたいはずなのに。
先のことを考えている。勝つために時間を惜しまずに考えている。
凄い。
そう思い、俺は頑張れと呟いた。

タイムアウトが終わった。
戻ろうとしたとき、北川が同じチームのバスケ部の奴に何か話していた。
なんだと思いながらもホイッスルが鳴り、勝者が決まる最後の試合が始まった。

相手チームのPGが必死に仲間にパスをしようとするが、必死にディフェンスをしている。
誰もが必死になってくらいついている中、北川はやはり落ち着いて相手のことを見ていた。
相手のPGがパスをした時、北川がパスカットをした。
その瞬間周りから歓声があがり、月島も「おお！」と声を上げていた。
そのまま北川は、先にいたバスケ部の人にロングパスをして、シュートが決まったと同時に、試合終わりのブザーがなった。

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