盗み聞きしてすまん。 【影山飛雄】

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球技大会の前日に配られるパンフレットで、無意識に北川の名前を探す。

帰宅部だから激しい運動ではないバトミントンかなと思い、バトミントンのメンバー表を見ると、そこに北川の名前はなかった。
じゃあ、バレーかと思ったがそこにもいなく、結局見つかったのはバスケのとこだった。

バスケとか、スポーツ中のスポーツだろ。
帰宅部なのに大丈夫なのかと思った。

もしかしたら、経験者なのだろうか。

俺は、北川の運動している姿は見たことがない。
今この時期は体力づくりが主であり、合同授業をしていない。
もしかしたら、この日は北川の運動姿が見れるかもしれないと、わくわくした。


＊


そう思いながら、ついに球技大会を迎えた。

まだ、五月というのに体育館やグラウンドは生徒たちの熱気のせいか暑かった。
一日目は、バレーとサッカーであり、俺たちのクラスは二回戦まで行き、三年に敗れてしまった。
球技大会だろうとバレーで負けたことは、悔しかった。

北川のクラスは、男子サッカーが強いらしく、二位になった。
同じクラスらしき男子と楽しそうにしている姿をみて、胸が苦しくなった。
その時は自分の気持ちが分からず、試合で負けたからと思ってスルーしていた。

球技大会二日目になった。

俺は、一日応援する側であった。

午後になり、最後の種目であるバスケになった。
俺のクラスのバスケチームは、一回戦目で北川のクラスと当たる。
自分のクラスが試合でない人は、邪魔になるため上のギャラリーで応援する。
俺のクラスは、試合なため俺も下で応援する。

俺は、間近で、北川のプレーを見れる。
きっと運がいい。

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