及川徹が彼女を作らない理由【及川徹】 (ページ22)

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帰り道、岩泉がスマホを取りだしAちゃんに電話をかけた。

静かな道には発信音と俺たちの謎の緊張感が漂った。

4コールくらいで繋がった途端、及川の肩が跳ねた。
いや、動揺しすぎな。

『はい、しもしも』

全(しもしも！？！)

岩泉｢おお、杉山か｣

『はい、どうかしましたか？』

岩泉｢まあな、今暇か｣

『はい、寝てました』

寝てたのね、、ごめんね、及川のせいで起こしちゃって。
きっと、寝顔は可愛いんだろうね。

岩泉｢そうか、悪いな｣

『いえいえ、で、どうかしました？』

岩泉｢いや、及川のことどう思う？｣

全(率直！？！)

岩泉の質問にAちゃんは『え、』と言った後少し黙った。

そりゃあ黙るわ、急に言われたら。
及川は、ソワソワしながら岩泉のスマホを見ている。

花巻(さあなんて来る)

松川(おもろいこと言ってくれてもいいんだよ)

岩泉(腹減ったな)

『おもろいっすよね』

Aちゃんの一言で岩泉は吹き出し、俺と松川は聞こえないように笑った。

及川は、予想外だったのか固まっている。

岩泉｢お、おもろいか｣

『はい、なんというか一緒にいて飽きませんよね』

岩泉｢ああ、なんか気持ちわかるな｣

『さすが幼なじみっすね、伊達じゃないですね』

岩泉｢まあ腹立つことの方が多いけど｣

『ああ、、』

いや、Aちゃん。
『ああ、、』って何よそれ、察しちゃってるじゃん。

『まあでも及川さんのああいう感じ嫌いでは無いですね』

Aちゃんの言葉に俺たちは食らいつき、岩泉も何故か必死に質問し出した。

岩泉｢そ、その"ああいう感じ"ってどういう事だ？！｣

『え、ええっと、メリハリが凄いところとか、か、神対応？』

いや、それアイドルじゃん。
及川、アイドルになってるよ。

『え、どうかしたんすか？』

岩泉｢い、いや、悪いな急に。｣

『い、いや全然』

岩泉は｢ちゃんと飯食って寝ろよ｣という母ちゃんみたいなセリフを言ったあと電話を切った。

及川｢え！？好きって言ったよね！？｣

｢｢｢嫌いじゃないって言ったんだよ｣｣｣

及川｢で、でも、そうとも言えるよね！？！｣

岩泉｢ま、まあ｣

松川｢一緒にいて飽きないってところも脈アリぽいけど｣

花巻｢神対応、、w｣

及川｢ちょっと！？マッキー笑わないでよっ！！せっかくAちゃんが褒めてくれたんだから！！｣

え、悪い、、。

主(絶対及川さん聞いてたよな、、)
Aは、そう思いながら静かに笑った。