及川徹が彼女を作らない理由【及川徹】 (ページ13)

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岩泉｢大丈夫か｣

『あ、はい。ありがとうございます。三途の川が見えそうでした』

及川は、しゃがみこんで少し、いや、かなり落ち込んでいた。

松川｢Aちゃんのタイプってどんな人なの？｣

『異性のタイプですか？』

松川｢そうそう｣

及川は落ち込んでいたが、話を聞きたいのかチラチラとAちゃんのことを見始めた。

いや、単純かよ。
本能のままかよ、及川。

『うーん、そっすねー、、、私と正反対な人ですかね』

松川｢え、正反対？｣

『はい』

岩泉｢目が生きてるってことか？｣

俺は岩泉の言葉を聞いてぶはっと笑ってしまった。
一方で、Aちゃんは首を傾げている。

『あ、てか、そろそろ帰らないと』

そう言うと、Aちゃんはしゃがんでいる及川に向かって話し出した。

『及川さんの家って三丁目でしたよね？』

及川｢え、う、うん。｣

『送りましょうか？』

及川｢えっ！？！いいの？？｣

『はい、三丁目通るので後ろに乗ってください。』

及川｢え、、Aちゃんが漕ぐの？｣

『、、？はい。』

え、、、Aちゃんが漕ぐのか？？
俺は違和感を持ちながら2人のことを見た。

及川が後ろに乗り、Aちゃんは俺たちに向かって話し出した。

『では、またどこかで』

｢｢｢お、おお｣｣｣

そう言い、ペダルを踏もうとすると

ｶﾞﾝｯ

、、、。

ｶﾞﾝｯ

『、、？？』

Aちゃんは、なんで漕げないんだろうと思っているかのような顔をしていた。

及川｢あ、Aちゃん、？｣

『す、すいません。なんか漕げないんすよね』

及川｢お、俺の方が体重重いから漕げないんだ、と思うよ｣

『、、、あ』

俺たちは二人の会話を聞いて、笑いをこらえた。
笑ってはいけない、ここで笑うとなんかだめな気がする。

それはきっと他のふたりも思ってるだろう。

そう思っているうちに、及川とAちゃんの座る位置が変わっていた。

及川｢じゃ、じゃあね｣

『今度こそまたどこかで』

｢｢｢お、おお｣｣｣

そう言うと、2人はチャリに乗ったままどこかに行ってしまった。

俺たちは顔を見合わせて笑った。

花巻｢や、やばすぎでしょw｣

松川｢まさかの気が付かないとかw｣

岩泉｢本当に謎が多いなw｣

ん、てか、待てよ。

花巻｢及川大丈夫か？Aちゃんと距離近くね？｣

｢｢｢あ、｣｣｣

、、、及川の理性、頑張れよ。

及川(やばい、距離が近い、なんかいい匂いする←)