影山飛雄はいつも焦っている 【影山飛雄】

２９ ページ31

【人生はゲームであり、面白いものである。】

中一の終わりくらい、テレビから聞こえたセリフだった。
それを言ったのはどこかの教授らしく自信満々に言っているのを見た。


【ミッションをクリアすると共に成長するのが人間である】


そのミッションが、ゲームが、面白くないものだったら人生は面白くならないだろ。


私は自信満々に話している教授を呆れた目で見て心の中で呟いた。



自分が他の人と何か違う。
それは、中学に上がってから実感するようになった。

小学生の頃、周りの仲間が逆上がりや逆立ちに手こずっていたが私はすぐにできたし、テストはいつも満点だった。

でも、小学生のテストなんて簡単だと誰かが言ってたのを見てこれが普通なんだと思っていた。

けど、中学にあがり勉強も難しくなって周りは手こずっていた。

中学で初めての中間テスト、みんな一生懸命勉強しているのをよく見ていた。

私は思った。

なんでこいつらはこんなに勉強してるんだろう。

別に授業聞いていれば分かるのに。
教科書を見れば覚えられるのに。
もしかして範囲が違ったか？！と不安になり、近くにいた女子に聞いたが同じだった。

私はてっきり、必死に勉強している奴らはいい点数を取りたいが為に勉強しているのではと思っていたが


そいつらは私よりも点数が圧倒的に低かった。


テストの度に、上位十名は紙に張り出される。

私はそれを見て驚いた。

なんで私はこんなに上位にいるのだろうと。

全くテスト勉強なんてしなかったのに、、。
ずっとギターを弾いていたのに。

その時から私は違和感を持った。

３０→←２８

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す