初めての ページ42
「自分から雌豚になんざ引っ付いたりしねェ」
嘘つき
毎日のように肩組んできたり、近くに寄ってきたり__
今さっきだって人前で腰に手なんか回してきちゃって。
他の女の子達とも毎日ｲﾁﾔｲﾁｬしてる癖に
何処が引っ付いてないって言えるのよ
「常日頃から女子と仲良しこよししてる人に言われても説得力ないから」
「言っただろィ。
雌豚が言い寄って来るから相手してやってるんでさァ」
目の前で足を止めた沖田は、私の頬にｽｰと手を滑らせた
「ちょっと...くすぐったい"っ!?」
頬?顎?を掴まれ、タコさんの口にされる
沖田にそうさせられている事と共に、その顔を晒している事が私を熱くさせた
「へっ、色気の"い"の字もねェや」
「はへのへいだ(誰の所為だ)!」
「茹で上がる所まで忠実に再現してくれてどーもねィ」
沖田に言われ、余計顔に熱が集まる
そうなる事が分かっていて言ってくるこの男は、
何処までも嫌な奴。
「いいか、アンタは例外でィ」
「...へいがい(例外)?」
「軽蔑するような目で見て来るし、初めて会った時から冷てェしで、他の雌豚とは大違いでさァ」
沖田は私の頬を掴む手の力を緩めた
「...言ったでしょ、他の女子と一緒にしないでって」
「知ってらァ。__だから、アンタは
顎を掴まれ、顔を上へと向けられる
彼の綺麗な顔が近づき、唇に柔らかいものが触れた
__1度重なってしまうと、もう取り返しがつかない。
何度も彼の唇が私のと重なり、初めての感覚にどうする事もできなかった。
唇が離れた時、沖田は悲しそうな顔で私を見る
「どうしたら、優しくしてくれるんで__?」
今にも泣き出しそうだった
彼のこんな顔は、初めてだ
「ごめん、沖田君、ごめん...」
急にそう言われ、反射的に謝る
何に謝ってるのかは、分からない
__だけど、そうしなきゃいけない気がした。
「...悪りい、忘れてくれ」
沖田はそう言うと教室から出て行ってしまった
「忘れられる訳...ない、」
初めてのｷｽも、相手が沖田だった事も
だからと言って、それが嫌じゃなかった事も
彼の泣きそうな顔も____
私は、沖田の抱えている"何か"に触れてしまったのかもしれない。
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なんぱん(プロフ) - ウォーターツリーさん» ウォーターツリーさんﾝﾝﾝ!(^^) ｺﾒﾝﾄありがとうございます! お褒めの言葉が嬉しすぎて幸せですTT 私も確実雌豚扱いです笑 どうぞ楽しんで行ってください...!(^^) (2020年8月18日 17時) (
レス) id: e422bd51e5 (このIDを非表示/違反報告)
ウォーターツリー(プロフ) - なんぱんさん…やっぱり文才が凄いのと沖田が格好いいのでゾワッてしました笑 絶対私はそこら辺の雌豚認定されるのでこの小説で例外を味わいます() (2020年8月18日 15時) (レス) id: 602bf9e950 (このIDを非表示/違反報告)
なんぱん(プロフ) - なまたまごさん» なまたまごちゃんさんｺﾒﾝﾄありがとうございます! Twitterでもよろしくしてくれて嬉しい限りです(^^)(^^)! 続編作成頑張ります! (2020年8月17日 9時) (レス) id: e422bd51e5 (このIDを非表示/違反報告)
なまたまご(プロフ) - なんぱんさん、とてもキュンキュンする物語ありがとうございます！Twitterの方でも絡ませていただいてるなまたまごです！続編ももちろん正座待機してます！更新待ってます！ (2020年8月16日 23時) (レス) id: 4eb1927f69 (このIDを非表示/違反報告)
なんぱん(プロフ) - 累さん» 累さんｺﾒﾝﾄありがとうございます! 嬉しすぎます、全て見て下さったなんてTT 更新頑張ります、これからもどうぞよろしくお願い致しますTT 本当にありがとうございます!! (2020年8月16日 14時) (レス) id: e422bd51e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なんぱん | 作成日時：2020年6月21日 23時
