番外編【愛してほしい１】 ページ46
前の主は最低だった。
最低と言う他なかった。だから、皆で反抗した。
アイツは辞めた。
新しく来る審神者達は皆３日と持たず去って行った。
「やっぱり、俺達・・・捨てられるのかな」
命令に従わなかったから。アイツの元で道具として使われるしかなかった？
愛されていたなんて、絶対に思えない。アイツは俺達を道具としてしか見てなかった。
「(俺達だって心くらい持ってる)」
だけど・・・
愛してもらえなきゃ、俺の・・・俺達刀の存在価値はない。
「加州君・・・大丈夫かい？」
「燭台切・・・うん、大丈夫」
アイツが去ってから１ヶ月。もう１ヶ月？それともまだ、１ヶ月？
「加州君・・・新しい審神者がまた、来るそうだけどこの部屋からは出ないでね」
「うん・・・」
わかってるよ。どうせ、俺達を置いて３日以内に去るんでしょ？
俺はぎゅっと自分の手を包み込むように握りしめた。すっかり、爪紅の剥がれた指。綺麗に、可愛く、ならないと・・・。
俺の心はもう限界だった。
・
・
・
「・・・ある、じ？」
気付けば俺は、新しい審神者の部屋に来ていた。
「新しい・・・主？」
「こっここんにちは！はじめましってっAと申します・・・審神者としてって・・・え？」
「主・・・！主！」
俺は、彼女へと抱き着いていた。
「主・・・俺、待ってたんだよ・・・？主が来るの・・・ずっとずっとずっと」
彼女は驚いているようだが俺が抱き着いているので彼女の顔は窺えない。
「あれ！加州君！？なにしてるの！」
燭台切が戻ってくるなり、俺を彼女から引きはがした。俺は、当然暴れた。
「離してよ！燭台切！」
１秒でも早く、愛してほしい。
「ダメだよ審神者なんて信用しちゃったら・・・！」
「・・・でも！」
「加州君」
燭台切が怒気を孕んだ声でそう言う。俺の頭は波が引くように冷えていった。
「・・・ごめん」
誰にともなくそう言うと俺は審神者部屋を出た。
「綺麗な・・・審神者だったな・・・」
階段を降りる途中で考える。
「・・・また、会いたい」
そして、愛してほしい。
俺を
愛して。
ーーー
残り話数も少なくなってきたので本編を次回作に持っていき、清光の番外編にさせていただきます！番外編の内容は完全に本編の中でのキャラの思考を私が想像、妄想した結果なのでおさらいのようにもなっておりますが、あの時の、あのキャラの行動の意味、などを細かくお伝えできたらな。と思っております。
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せかこ@受験の為、更新ができません(プロフ) - 水音さん» 水音さんありがとうございます！ぜひ見に行きますね！ (2015年12月21日 21時) (
レス) id: bc5ff5c6fe (このIDを非表示/違反報告)
水音 - お話、拝見させていただきました。とても面白いです。私も艦これと刀剣のクロスオーバーの作品を書いているのですが、よろしければ一度ご覧になって下さい。 (2015年12月15日 16時) (レス) id: d11f4ca11c (このIDを非表示/違反報告)
恋華(プロフ) - 彩さん» 殴りかけて殴ってないならセーフですよ！加州可愛いですよね！本当初期刀なので一番思い入れが深くて毎日愛してます＼(^o^)／ (2015年6月11日 22時) (レス) id: 13a37af7db (このIDを非表示/違反報告)
彩 - ちょっとこれ読んでて、兼さん殴りかけたわがいとしの加州君を泣かせやがって！ってねwwwww (2015年6月10日 18時) (レス) id: 6480b7d8c9 (このIDを非表示/違反報告)
恋華(プロフ) - へちまさん» コメントありがとうございます。ウチの本丸の和泉守はツンデレ属性で突拍子もないことを言って堀川がいないと駄目な刀ですっ！じじいもどんどん出しますよ！ (2015年5月5日 19時) (レス) id: 13a37af7db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恋華
作成日時：2015年4月13日 22時
