番外編【月を見上げて４】 ページ34
「いいですよ」
意外にも嫌な顔もせず、審神者は２つ返事で承認した。
「そうか！やってくるか！」
「でも、皆さんは部屋から出てくれるのでしょうか・・・」
俺は審神者のその疑問に問題ないと告げる。
「しっかし、おじいちゃんが出てくるなんて・・・」
「誰も出たがらなかったのでな。それに新しい審神者とやらも見たかったのだ」
俺はそう少し意地の悪いことを言う。そしてさっき突き飛ばされたことを思い出した。
「それが・・・出会いがしらに・・・ふ、はっはっはっは」
「え、おじいちゃん！？」
「三日月が・・・笑ってる・・・？」
加州と光忠がそう言う。俺が笑うのはそんなに珍しいか？・・・いや、確かに。俺はずっと笑っていなかったか・・・。いや、他の刀達も同様だ。
それだけ、この本丸の闇は深いのだ。
・
・
・
掃除を終えるといつの間にか夜になっていた。今日は三日月。縁側に出た俺は光忠の入れた茶を飲みながら月を見上げた。俺の名前の所以・・・三日月。月と呼ぶならばいつかは満ちて満月になるだろうが俺の名前は三日月だ。一生欠けたまま。
しかし、あの審神者を見ていると俺の欠けた部分が満ちるような気がした。気のせいかもしれない。だが、俺は気のせいだとは思いたくなかった。
「三日月？」
部屋の刀剣達が月を見上げたまま動かない俺を心配になったのか俺の名前を呼んだ。
「宗近・・・か」
俺を打った刀匠の名前。前の審神者は俺を宗近と呼んだ。まるで、三日月という名を呼ぶを嫌がるかのように。そう感じたのは何故かはわからないが今はさほど気にならなかった。・・・満月のように心が満ち足りていた。
「・・・よきかな」
俺は、誰にともなくそう呟くとすっかり冷えた茶を啜った。
ーーー
番外編が予想以上に長くなってしまって２話で終れませんでした。申し訳ないです。じじいの心がわかっていただけたかと思います。少し、恋心を持ったような描写はありますがそこはご安心を。この作品の女審神者は恋愛フラグではなく死亡フラグのほうが立っちゃう系審神者です！
皆さん忘れていらっしゃった方もいると思いますが、この作品の審神者は綺麗系です！正直、その設定を私もつい最近まで忘れておりました！
と、そんなことはさておき。三日月宗近番外編終了。この刀剣の番外編が見たい！など、そんなコメントも受け付けておりますので・・・と何気にコメ稼ぎをする。
これからもイケメン嫌い女審神者奮闘記をよろしくお願いします！
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せかこ@受験の為、更新ができません(プロフ) - 水音さん» 水音さんありがとうございます！ぜひ見に行きますね！ (2015年12月21日 21時) (
レス) id: bc5ff5c6fe (このIDを非表示/違反報告)
水音 - お話、拝見させていただきました。とても面白いです。私も艦これと刀剣のクロスオーバーの作品を書いているのですが、よろしければ一度ご覧になって下さい。 (2015年12月15日 16時) (レス) id: d11f4ca11c (このIDを非表示/違反報告)
恋華(プロフ) - 彩さん» 殴りかけて殴ってないならセーフですよ！加州可愛いですよね！本当初期刀なので一番思い入れが深くて毎日愛してます＼(^o^)／ (2015年6月11日 22時) (レス) id: 13a37af7db (このIDを非表示/違反報告)
彩 - ちょっとこれ読んでて、兼さん殴りかけたわがいとしの加州君を泣かせやがって！ってねwwwww (2015年6月10日 18時) (レス) id: 6480b7d8c9 (このIDを非表示/違反報告)
恋華(プロフ) - へちまさん» コメントありがとうございます。ウチの本丸の和泉守はツンデレ属性で突拍子もないことを言って堀川がいないと駄目な刀ですっ！じじいもどんどん出しますよ！ (2015年5月5日 19時) (レス) id: 13a37af7db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：恋華
作成日時：2015年4月13日 22時
