2話 ページ3
「・・・君、誰?」
「・・・え!?」
突きつけられた刀。私は驚きながらもゆっくりと後ろを振り返る。そこには・・・
「・・・」
険しい顔をしてはいるが眼帯を右目のほうに付けて燕尾服らしきものを着ているイケメンだった。
「・・・ひぇ」
喉から思わず変な声が出る。
やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだ!!!
イケメン怖いイケメン怖いイケメン嫌い怖い怖いやだぁぁぁぁぁぁぁ!!!
「・・・ちょっと、誰って・・・」
「ひゅぅ・・・」
「え」
私の意識はぷっつりと途絶えた。泡吹いてたかもしれない。その綺麗なお顔をこっちに向けないでください。こうなるから。
ふわふわとした意識の中、私はそんなことを考えていた。
再び、目を覚ませば見慣れない天井。家・・・じゃないか。
「あ」
「?」
ふと、横を見ればさっきの眼帯イケメンが。
「!!!!」
「・・・あんまり、騒がないでくれるかな」
少し低い声でそう言われ、私はとりあえず勢いよく頷く。
「君、もしかして新しい審神者?」
「!・・・そ、そぅでㇲ・・・」
最後の方が聞き取りにくい上に小さくなってしまった。しかし、言いたいことは伝わったのか眼帯イケメンさんはにっこりと笑い。・・・ひぃぃぃ・・・笑った顔もイケメンすぎて眩しいよ。直視できないよ。そのお顔こちらに向けないでせめて顔隠してぇぇぇぇぇ。
「悪いけど・・・出てってくれる?」
「はい?」
今度はハッキリと私は聞き返した。
「(え。今なんて言ったこのイケメン?・・・出てけって?)」
「聞こえてるかな?今すぐ出てってくれない?僕たちは新しい審神者なんて望んでいないんだ」
「そっそんなわけにはいかないんです!」
私は必死に反論する。
「あまり、大声を出さないでくれるかな。僕みたいに気の長い刀ばかりじゃないから・・・」
途端に部屋の外から感じる殺気。
「ご、ごごごごめんなさぃぃ・・・でも、でも私がちゃんと審神者にならないと・・・」
「言っただろう?審神者なんて・・・みんな同じ、なんだろう」
「私がちゃんと審神者にならないと・・・ここの刀たちはみんな刀解されちゃうんです・・・」
「・・・本当かい?それは」
眼帯イケメンさんはさらに鋭い目つきで私の目を見つめる。嘘は言っていない。私は毅然と見つめ返・・・すことはできるはずもないのでただ下を向いて頷く。
「汚いな・・・」
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せかこ@受験の為、更新ができません(プロフ) - 水音さん» 水音さんありがとうございます!ぜひ見に行きますね! (2015年12月21日 21時) (レス) id: bc5ff5c6fe (このIDを非表示/違反報告)
水音 - お話、拝見させていただきました。とても面白いです。私も艦これと刀剣のクロスオーバーの作品を書いているのですが、よろしければ一度ご覧になって下さい。 (2015年12月15日 16時) (レス) id: d11f4ca11c (このIDを非表示/違反報告)
恋華(プロフ) - 彩さん» 殴りかけて殴ってないならセーフですよ!加州可愛いですよね!本当初期刀なので一番思い入れが深くて毎日愛してます\(^o^)/ (2015年6月11日 22時) (レス) id: 13a37af7db (このIDを非表示/違反報告)
彩 - ちょっとこれ読んでて、兼さん殴りかけたわがいとしの加州君を泣かせやがって!ってねwwwww (2015年6月10日 18時) (レス) id: 6480b7d8c9 (このIDを非表示/違反報告)
恋華(プロフ) - へちまさん» コメントありがとうございます。ウチの本丸の和泉守はツンデレ属性で突拍子もないことを言って堀川がいないと駄目な刀ですっ!じじいもどんどん出しますよ! (2015年5月5日 19時) (レス) id: 13a37af7db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恋華
作成日時:2015年4月13日 22時