「十九.五」話 皆のキモチ11 猿2 ページ42
「でも時雨、外にはガスが充満している。どうやって35番の
所まで行くんだ?つーか35番どこにいるんだよ。」
俺は聞いた。すると、
時「ここにガスマスクがある。」
どこから取り出したのか、2つのガスマスクを手に持っていた。
「大丈夫なんだろうな。」
時「Made in 兎万兎&僕だ。」
即答された。
「じゃ大丈夫だな。」
チビウサギと時雨が作ったんなら大丈夫だろ。
時「そして35番は恐らくあそこだ。」
0舎 庭園
「なんだ、ここ・・・」
少し青白く光る花、飛び交う光る虫。
そこは今まで見てきたものの中で類をぬき美しい場所だった。
時「35番!」
そこの中央に、35番のアンドロイド『time−0−35』が立っていた。
35『時雨サン・・・どうして内緒にしていたんですか!
私は・・・私は!』
時「それは違う、35番」
時雨は歌うように、なだめる様に
静かに話し始めた。
時「35番、お前の父、母・・・開発者は、
政府の命令により、お前を作った。
だがしかし。軍事利用されると分かった。
開発者は、娘のように思ってきた35番を、
軍事利用なんてしたくない、と考えていた。
だからお前に、わざと捏造した報告書を見せ、
逃げさせた。迷路のように入り組んでいる回線の中に
逃げてしまえば、こちらはどうすることもできない。
これにより、お前を救えた。
しかしその『記憶』があれば、またどんなことをしでかすかわからない。
だから、僕が消させてもらった。
これはお前の父と母のメッセージだ。」
時雨は、小さな機械を手に乗せ、ボタンを押した。
すると、空中に二人の優しそうな男女が現れた。
【「35番・・・いいや、サンゴ。私たちを許してほしい。
あのようなことを、するべきではなかったのかもしれない。
だが、お前をどうしても、軍事利用なんてしたくなかった。」
「ずっと辛かったでしょう、寂しかったでしょう・・・
でも、貴方にとって、こうするのが最善策だと思ったの・・・」
「そこにいる時雨さんに、お前のことを頼んだ。
もうお前は大丈夫だ。幸せになりなさい。」
「そばにいることができなくて、ごめんなさい・・・
これでは母親失格だわ・・・でもサンゴ、
私たちのことは、許してもらえなくて構わない。
むしろ恨んだって良い。
でも、ほかの人のことを信じてあげて。」
「私たちはこれから。罪を償う
償えきれないかもしれないが、
どうかまたいつか、父親、母親として、
あってほしい。幸せになれ、サンゴ」】
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零印 - ありがとうございます!褒められたの初めてです・・・うれしいなぁ! (2019年8月7日 7時) (レス) id: f2d6bc0737 (このIDを非表示/違反報告)
ネコミヤ(プロフ) - とっても面白いです!ナンバカ本来の面白さと作者様の面白さが混ざって最強ですね (2019年8月6日 21時) (レス) id: 1ac4f61273 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零印 | 作成日時:2019年6月25日 18時