何万回だって、「君が好き」２

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要件言わずに、先に予定聞かれると困るよな。


ラインに、ともは、今日は無理って書いてる。


やから、暇言うたら暇やけど。

けど、この子にもし誘われたら・・・


ごちゃごちゃ考えてるうちに、

主演の東野さんが来はって。


「この後、しげも行くでしょ？
みんなで焼肉。
プロデューサーの松永さんも来てくれるし」


誘われて、


「あっ、はいっ。もちろんです！」


即答。


断れるわけないやん。


ちょうど、ともの都合、悪なって、良かってんけど。


少しでも会いたかったな。


一昨日会ったばっかやけどさ。

あれは仕事やったし。


今日明日を逃したら、
明後日からまた撮影で地方やねんて。

寂しい。








焼肉屋さん来て、
みんな盛り上がってるけど、
俺はスマホ気になってしゃあないねんな。


ともから連絡ないかなって。

ほんまに今日は会われへんのかな。


同じテーブルでは、
恋愛トークで盛り上がってて、

女の子は、記念日大切にするとか、
そんな話が小耳に入ってくる。


確かにな。

今度は、
ともと初めて結ばれる時は、
なし崩しみたいなんやなくて、

特別な日がええなって。


俺に大切にされてる、
愛されてる、

いうんを実感して欲しいねん。


前みたいに誤解を生まへんように。


特別な日っていうと、

一番に浮かぶのは、ともの誕生日やけど、

俺からしたら、何億光年も先に思えるし。


クリスマスやらはもっと先やん。


そんな先まで待ってたら、
俺、干からびるかも。


けど誠意を見せるって、
どうやればええんか、
他に思いつかへんねんもん。


今、ともを迎えるべく、部屋の改造もしてるねんで。


お洒落なともを見習って、
ちょっとはセンス良くしたいし、
快適にもしたいしな。


とも専用のふかふかの羽毛布団も注文してんで。

まだ届いてへんけど。


「しげは？彼女欲しくないの？」


東野さんに聞かれて、言葉に詰まる。


絶対に、ともとの事はバレたらあかん、て、
チーフマネに耳にタコなぐらい、聞かされてる。


「今はいいっすかね。
俺、あんま恋愛の優先順位高くない方なんすよ。
面倒なってまういうか。
男同士でふざけてる方が楽しいし」


「へえ。
今時」

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