何万回だって、「君が好き」２

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今日もどうせあんま寝られへん思てたのに。

いつのまにか熟睡してたみたいや。


ぬくもりと、
どっか甘い神ちゃんの匂いのおかげか、

幸せな夢を見た。


この世ではない虚構の世界で、

神ちゃんと二人で、
冒険をしてる。


夢の中の俺は勇敢で、
次々とモンスターを倒して、宝物を手に入れる。


最後に、神ちゃんは、

何故か、唐突にお姫様に変身して。


俺にご褒美のキスをくれるねん。


そこで目が覚めた。


現実やないって知って、
しばらく悲しい気持ちになったりして。

こんなこと初めてや。


神ちゃんは、
相変わらず天使のような寝顔で、
すやすや眠ってる。


「ええ夢やったなあ。
もっと続き、見てたかったな」


思わず独り言が漏れた。


ベッドサイドにあるお水飲んでたら、


「どんな夢？」


すぐ後ろで、寝ぼけた神ちゃんの声がした。


「うわっ」


「どうしたん、しげ。
俺にも水ちょうだい」


「うん」


俺の飲みかけのペットボトル。

ちょっと迷う。


メンバーとなら回し飲みとか平気やったのに・・・


「ありがと」


神ちゃんが水を飲む姿、
思いっきり、がん見してしもた。


やって、白い喉が動いてさ。


妙に色気あるねんもん。


お水飲み終わったら、


「そんで、どんな夢見とったん？」


すぐに聞かれた。


「忘れてなかったんかい」


「忘れへんよ。
めっちゃええ夢やってんやろ？
気になるやん」


「笑わへん？」


神ちゃん、
なんでか知らんけど、
よっぽど知りたいみたいやねんな。


「絶対に笑わへん」


「んじゃあ、言うな。
なんかな、俺ら、架空の世界におってな。
例えるなら、まあ、ゲームの中いうか」


「うんうん」


ゲーム好きの神ちゃんは興味津々な顔してる。


「二人で宝物をゲットしに行くねん」


「それは、俺としげってこと？」


「そう。
そんでな、まあ、
毒蛇やのワニやの、敵が色々出てくるねんけど。
それを倒して、崖のてっぺんまで登って。
まだ空まで飛んで。
雲の上の宝物をゲットするねん」


「カラーで見たいやつやん！」


「そう！俺の夢はカラーついてた！」


「そんで？」


「宝物を手に入れたら。
そのさ、神ちゃんがご褒美くれるねん」


「ん？俺は一緒に冒険しとったんちゃうん？」

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