何万回だって、「君が好き」２

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付き合い出した翌朝の、
俺が寝てるって、ともが思い込んでた独り言の時だけ。

えっちなことしてる時は、

まあ、言うてくれたりもするけど、

声にもなってへんような声やしな。


お互いが意識覚醒してる時には一度もないねんて。


実はハタチ前後の若い頃は。


言葉に拘るなんてって、

なんなら、
いちいち言葉にするなんて、
キザっちくて真実味ないとか、
カッコ悪いとか、

俺もそんなん思っててんな。


今思うと、あほやけどな。


やから、ともにも、
好きやって、ちゃんと伝えられずに、

あんなすれ違いを生んだわけやし・・・


今は感じた時に言う事にしてるねん。


「とも、真っ赤っかやあ」


染めた頬、指で突っついて、
それだけやと足りひんかって、
キスしてもうた。


「大毅、恥ずかしないん？」


「ん？なんが？」


「その、す、す、好きって・・・」


「照れるけど、
好きやって伝える度、
ともが嬉しそうにしてくれるから。
幸せになる」


「・・・大毅も俺が好き言うたら、
嬉しい？」


好きって言葉、声にする時、

とも、めちゃめちゃ恥ずかしそうにするねん。


その表情だけで、とろけてんねんけどな。


「嬉しいに決まってるやんか。
大好きな子に好きなんて言われたら」


ケーキのお皿は空になって、
ご馳走様したともが、
ちらっと俺を見る。


「大毅、ありがとう」


「うん？」


「今日、楽しかった。
俺の行きたいとこ付き合ってくれて」


「俺こそありがとうな。
美味しいご飯作ってくれて。
俺もめっちゃ楽しかったよ」


「うん、どういたしまして」


とも、ずっと真っ赤っかで、
ちょっと緊張した顔してるねんな。


今から告白します！って雰囲気満載やねん。


自ずと俺もドキドキしてきてまうやろ。


「大毅、ドームで、
俺の気持ち、歌の意味、って言うたやんか？」


「うん」


「初めて、
あの歌聞いた時、
俺な、すぐに大毅の顔が浮かんでん」


「・・・俺もやで？
俺もすぐにともの顔が浮かんだ」


「大毅は、俺にとって特別な人やねん。
大毅がおったから、
世界が暗闇に見えた時でも、
どんだけ打ちのめされても、
また顔、あげれたし、
また笑える日が来るって信じられた」

３→←スイーツな時間。エピローグ的な。 赤１

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