マチノソラ25

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麻婆豆腐。


見た目はわからないけど、相当スパイスを入れた。
相当というか、瓶一本全部。



「おっ、うまそ〜」



帰ってきた倫也さんに激辛麻婆豆腐を出せば
向かいで心臓をバクバクさせながら見守る



「いっただきまーす」



バクっと大きな口で食べれば



「うん美味い」



そう言ってバクバク顔色一つ変えずに食べて



「………、、」



「ん？食べないの？」



もぐもぐしながら不思議そうに言われて



「…あ……、うん、食べる…、」



自分も一口食べれば



「ッッ！！」



食べた瞬間痛みがブワッと広がって慌てて水を飲んだ



「大丈夫？熱かった？」


「……っ、、」


「Aそんな猫舌だっけ？」



いつまでも水を飲む私に倫也さんはフーフーして
ほら、とスプーンで掬った麻婆豆腐を差し出した



「熱くないよ今度は」


「………、」


「ほらあーん」


「いや…もう…、」


「だからちゃんと食べなきゃだめだって全然食べてないじゃん」


「………、」


「口開けて。はい。あーん。」



圧に押されて大きな一口を食べさせられれば自然と



「〜〜〜ッッ！！」



「え…何で泣く…？どしたの…？」



たまらず口を押さえてトイレに駆け込めば
倫也さんが心配そうにやってきて



「……ちょっと、大丈夫？」


「……っ、」


「…え……もしか…して……、」


「っ、違いますっ！」


「あ、そう…、」



「ちょっと…、もう今日はお腹空いてな…、」






ぐうぅぅぅ〜〜〜〜〜〜〜





「……………」



「……………」



最悪のタイミングでお腹が鳴って



「………空いてんじゃん…」


「…………、」


「またダイエットして倒れる気？」


「違う、」


「じゃ何よ」



「……、、ちょっと…、辛くて…、」


「麻婆豆腐？あーじゃあちょっと牛乳とか足す？」


「っ、そういうレベルじゃないから、」


「自分で作ったんでしょ？そんな辛いのいれたの？」


「…………瓶一本…、」


「え？何でそんな？」



気まずい顔で見ればその顔で察したらしく
呆れた顔をされた



「…… はぁ…、またバカな事やって…」


「だって…、絶対嘘だと思って…、」


「つーか自分の分まで辛くしてどーすんだよ」


「自分も食べるの忘れてた…、」


「………。…本当Aって……あー他にオカズになりそーなもんある？」


「卵かけて食べます…、」


「ふふ…自爆王にまた新しい歴史が刻まれたなぁ？」


「……………、」

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