マチノソラ23

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「これミス。」


「あ、ごめん」


「……」


無言で席に戻る須藤は、最近何か変だ。


いや普通なんだけど何ていうか…空気が違う？


自分のデスクでいつも通り仕事する背中はどこか遠い



「…須藤さぁ……元気？」


「普通ですけど」


「最近も〜んって感じする」


「何すかそれ」


「何かあるならおねーさんと今度飲み行くか？ん？」


「いいから仕事しろ」


「ふーん…あ、明日よろしくね。それと今日って早く帰れるよね？」


「多分」


「何か倫也さんが夜に見せたいものあるんだって〜ねぇ何だと思う？」


「………」


「須藤？」


「いちいちのろけないで下さい。」



……のろけ？？てないよね？
　

てか、何そのマジテンション。



「機嫌わっる〜〜〜」



よくわからないまま会話をやめてパソコンに向き直れば、見せたいものって何なのかワクワクした









.








今日は早く帰ってきてと言われて素直に帰れば
お風呂上がりにソファに座らされた



「何？」


「一緒に見よ」


「バラエティ？」


「うん。びっくりするよ」



倫也さんが番宣で出ているバラエティ。
いつもならそういうのは恥ずかしがって一緒に見ようなんて言わないのに



「ふふふ…」



「？」



上機嫌な倫也さんの横でぼーっと見てれば



「えっ！」


「お、でた」



須藤が映って持ってたチョコを落としかけた



「何で！？」



「ぐーぜん」



『え？この人の印象っすか？えー…そうですね……
初めて舞台見た時に多分…惚れたんですよ』



『舞台…はい！』



「あ。」



舞台というキーワードで回答者が見事倫也さんの名前を当てて、須藤の映像はすぐに消えた



「あははは！びっくりした〜すごいね！」


「……」


「倫也さん？どしたの？」


「……いや…」


「これ見せたかったんだ？確かにびっくりした〜〜
あ、須藤も今日これ出るから何か変だったのかなぁ」


「………」


「何？何で落ち込んでるの？」


「…何でもない……」


「？」



倫也さんは後ろから抱きしめながら
肩におでこをつけた




「……やっぱり慰めて…」


「だから何を」


「………」



スルリとお腹に手が回って



「だからしないって」


「…………いつまで怒ってんの…」


「怒らせたのそっちじゃん」


「おあいこでしょ」


「騙しといてよく言うよね」


「嘘は一個もついてないもん」


「そういうとこがムカつくの」


「…………しよ…？」

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