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「はい、電話。」
「…………、」
須藤は自分の電話を私に差し出して
「心配してると思うけどなぁ」
「…………、」
「夜にコンビニ行くだけで心配する人が、深夜にスマホも持たずそんな格好で行方知れずってどんだけ心配してるんでしょ〜ね〜」
「…………、」
「こういうのは先に謝った方が楽ですよ」
「…………、」
「早くした方がいいと思うなぁ。ほらタイムオーバーになる前にしちゃいましょ」
「何タイムオーバーって…」
「ん?そろそろだと思…」
ピーンポーン
「……タイムオーバーっす…」
立ち上がって玄関に向かった須藤を見れば
開けたドアの向こうには
「……………A、」
「え」
「お迎えデス」
「っ、須藤っ!裏切り者!!」
「Aさん来る前に連絡きてましたもん」
「だったら最初に言えばいいじゃん!」
「倫也さーん、もううるさいんで連れて帰って下さい。俺眠い」
「ごめん須藤くん」
家に入ってきた倫也さんに腕を引かれて
「っ、やだってば!」
「あ、倫也さん、明日外回り多いんで出来れば程々でお願いしまーす」
「…………、」
「ちょっと離してっ!」
ぐいぐい引っ張られてドアを出れば、深夜に騒ぐのも迷惑になりそうで声は出せなくて、大人しく引っ張られて車の後部座席に入れられた。
倫也さんは無言で運転席のシートベルトを締めて
私は窓の外のネオンに視線を逃す。
あ、カーディガン借りてきちゃった……
走り出せばバックミラーに映る倫也さんの表情は読めなくて、また窓の外を見た
過ぎていく景色は心とは裏腹に煌びやかで
「……………俺どうしたらいい?」
声が響いて
「心配だからしてほしく無いけど束縛したくもない。だからAが納得してくれてしなくなってくれんのが一番だけど、無理なら他の方法考えよ。」
冷静な、合理的な、真っ直ぐな声。
前にも全く同じ事を言われた気がする。
つまりは全然変わってないって、ことか……私…。
前を向いたままの誠実な言葉に
自分の愚かさが露呈してさっきより小さく膝を抱える
「Aは俺にどうして欲しい?」
「……………、、」
何も言えないで無言の時間が過ぎれば
そのまま家に着いた。
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南季(プロフ) - いぶさん» いぶさんはじめまして!イッキ読みありがとうございます♪応援ばっちり届きました!須藤くんも気に入って下さりとっても嬉しいです!今日も更新しますので続きをお待ち下さい♪♪♪ (2021年4月29日 14時) (レス) id: 4681aa839d (このIDを非表示/違反報告)
いぶ(プロフ) - はじめまして!ここまでイッキ読みしてしまったのですが…キュンキュンが止まらないです。素敵なお話をありがとうございます!2人の関係はもちろん、須藤くんもイケメンすぎてツライ…。これからも応援してますのでどうかどうか宜しくお願いします。 (2021年4月29日 14時) (レス) id: 05685c3eae (このIDを非表示/違反報告)
南季(プロフ) - ゆずはさん» ゆずはさんっお待たせしました笑 (2021年4月25日 14時) (レス) id: 41edd5f130 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずは(プロフ) - 須藤ーーー!!いったれーー!!笑笑もうテンション上がる展開♪♪ (2021年4月25日 9時) (レス) id: d5f1772468 (このIDを非表示/違反報告)
南季(プロフ) - ずんだもちさん» ずんだもちさん楽しくなってきましたね♪♪ (2021年4月25日 0時) (レス) id: 41edd5f130 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:南季 | 作成日時:2021年4月9日 21時