マチノソラ21

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「お疲れ様でしたぁ！かんぱーい！」


ドラマの最終回、打ち上げ


今日はお礼も兼ねてあのプレゼントしてもらった服を着て参加しているけど、主演の二人とは距離を置いて端っこの席にいる




「お疲れ様です」


「あ、お疲れ様です」



しばらくしたらワイワイした場所から抜けてきた
赤い顔の菅田くんが横にあぐらをかいた。



「最終回ゲスト、素晴らしかったです」


「そちらこそ脚本完投おめでとうございました。
とても面白かったです」



「………」



「………」



「「あはははは！」」



カツンとお互いグラスを合わせてわざとらしい
他人行儀な挨拶に笑う菅田くんは、その久しぶりを
あまり感じさせない人だ。



「最近ど？」


「お陰様で」


「そら何より」



わざとらしく頭を下げれば
優しく笑った顔は須藤に似ている



「今海外行ってる」


「あーそういえば聞いたわ。オフ2日貰うためにむちゃくちゃなスケジュールこなす事になったって」


「あ、やっぱり？」


「珍しく駄々こねられたってマネージャー言うてた」


「そうなんだ…」



普段あまり困らせるような事を言わないであろう倫也さんがそんな事をしている姿を想像すればにやけて


「デートするん？」


「みたい」


「みたいって何やねん」


「何か急にパスポート持ってる！？有給取れる！？
って迫られて、言われるがまま休み取ったら飛行機のチケットも取られてた」


「あははは！強引やな〜まぁ気持ちわからんでもないけど」


「そーゆーもん？」


「まぁこっちやと色々なぁ。海外でも国によったら
日本人ゴロゴロおるけどな」


「何かそこまでメジャーじゃない所みたいで」


「どこ？」


「何だっけ…何か木みたいな名前だったような」


「木？ウッドストックとか？」


「そんな名前じゃなかったと思うなぁ…」


「自分の行く国わからんて大丈夫なんそれ」


「チケット見たらわかるもーん」


「あはは、頼りな〜」


「あ、そういえば映画やるんだね！PR動画の映像と
歌ばっちりハマっててすごかった！」


「やろ！？あれやっばいねん！」


「楽しみ〜！」



菅田くんは嬉しそうにビール瓶をトポトポ注いだ



「てか服、前と好み変えたん？」


「マッケンくんに貰った！」


「そーなん？あ、じゃ古着とか好き？コーディネートしたろか」


「あー…ありがたいけど、やめとく…」


「何で？」


「…拗ねる。」


「拗ねる？あははは！そっかそらあかんな！ごめん忘れて」

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