マチノソラ21

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「…………猫だ…」


「あ、おかえり」


「猫がいる……」


「あ、うんちょっと事情あっていちに「うわぁあああ〜〜〜っ」


「え………？」



倫也さんは私にも目もくれずに
玄関で出迎えた子猫にしゃがんだ


そっと手を差し出せば、さっきまで私には見向きもしなかったくせに倫也さんには擦り寄って



「ふふふふふ…お前なつっこいなぁ…どした？ん？」


「……………」


「ねぇこのこどーしたのっ！？」



じゃれあいながら目をキラキラして見上げる倫也さんの方が子犬みたい



「あぁ…ちょっと友達の預かる事になって…」


「そうなんだ〜〜きみ名前なんてーの？女の子だね？ふふふ…ねっ、いつまでいるのこのこっ」


「明日には…」


「え〜〜じゃ1日だけかぁ〜〜〜お、何だっこしてほしいの？いいよおいで。ふふ…ふわふわだねぇ」


「…………」


「何？何して遊ぶ？」



私今日おニューの服着てるんだけどなぁー…



私のおニューのワンピースには目もくれずに倫也さんは歩いて、足元にまとわりつくみたいに子猫はすりすりとついていく



「ねぇねぇ！」



リビングから呼ばれて行けば



「この子もうご飯食べた？」


「まだだけど………」


「おっじゃ食おっか、ね？えーと名前なんてーの？」


「…………チロル」


「チロル？チョコみたいな名前だなぁお前？お腹すいたね？たべよっか？ね？」


「……………」



倫也さんは嬉々としてご飯を用意して
チロルがご飯を食べるのをニコニコしながら見ていて



ダイニングテーブルには私一人で座って食べていて
倫也さんのご飯は



「……………ねぇ冷めるよ」


「ん？うん今食べるよ」



全然食べないじゃん



「うまいか〜いっぱいくえ〜」


「………」



その後もお腹の上に乗せたりじゃれてみたり
チロルもチロルで倫也さんにべったりで

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