マチノソラ17

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「おつかれー」


「おっつ〜あれ？須藤くんは？」


「あーちょっと遅れてくるのかな？」



会社は別々に出ていた



「かな？って一緒に仕事してたんじゃないの？」


「あー…うん」


「ん？」



ガラと引き戸を開けてすぐに須藤がやってきた



「お疲れ様っす」


「ん、何だやっぱ一緒に来たんじゃん。お疲れ」



私は倫也さんの横に座って須藤は向かい



「倫也さん何時から飲んでたんですか？」

「5時くらい？も〜結構酔ってる〜ふふふ」

「ハイボール？」

「ビールとハイボールと〜なんだっけな」

「明日休みなんすか？」

「昼から〜須藤くん何飲む〜？ワイン？」

「じゃあワインで」

「Aは？」

「ビールで」









「「「かんぱーい」」」


３人でグラスを合わせれば、いつも通りに見える



「須藤くん最近ワイン多いけど転勤先で覚えたの？」

「あーワイン好きな人がいて色々」

「へぇ〜今度美味しいやつ教えてよ」

「はい」

「あれ、Aもう一杯目飲んだの？ペース早いね」

「おかわり。」

「はいはい、須藤くんも？」

「お願いします」



そうやって来たお酒を競うようにガンガン煽れば



「……二人とも今日すごいペース早いけど…仕事で何かあったの？」


「……………いえ」


「…そう？あ、須藤くんこないだまた元カノさんから連絡来たって言ってたのどうなった？」


「あぁ、何か落ち着いたみたいで。仕事も新しく決まったからもう大丈夫だからって」


「そっか」


「はい」








「まだ引きずってんじゃないの。」







「……………は？」




私とは違い何でもない風に倫也さんと話す須藤にムカついて、酒の勢いで思った言葉がすぐに出る。


「それならわざわざ彼女のフリするとかくだらない事しないでヨリ戻せばよかったのに。あの人が忘れられないから彼女作らないんじゃないの？」


「誰がそんな事いいました？」


「だってそうじゃん。あの人のあと長続きした人いないんでしょ？好きな人何年も出来ないって引きずってる証拠じゃん」


「……………A、」





「自分が見えるものだけで勝手に都合いいように判断して決めつけないでもらえます？」


「じゃあ何であんな怒るわけ？ただの世間話じゃん。なのにムキになってさ。いつまでも引きずってないで試しに誰かの好意に振り向いてみたら変わるかもしれないじゃん」


酒をグイッと煽って須藤を睨めば、
真正面にいる須藤は私を見下ろすように見た。

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