906〜倫也side〜 ページ34
そんな賑やかな食事が終わって、Aがお風呂に行けばお父さんが何かを持ってきた
「これ、良かったら」
見れば、腕の中にはアルバムがたくさん。
「Aさんの写真ですか?」
「親バカなんですが可愛いんですよ、良かったら見てやってください」
生まれた時からの写真をめくっていけば、無邪気に笑うかわいい一枚一枚に、彼女がどんなに愛されて育ったのかがわかって温かい気持ちになった
「あ!ちょっと何見せてるのお父さん!」
お風呂上がりの彼女が慌てた様子でやってきたけど、やめる気はない
「ねぇこの写真すごいね」
茶色い水たまりの中で、頭から全身泥だらけで爆笑している多分3歳くらいのA
「…これ私もだけど、この状態見て止めないで写真撮るお母さんもお母さんだよね、もう絶対泥食べてるもん私」
たしかに。
「これも」
まだ幼い彼女が割と高さのある遊具を笑顔で遊ぶ写真
これバランス崩して落ちたら本当に怪我すると思う。
…Aが好奇心旺盛だったり危なっかしいのは
こういうとこからきてんのかな……
「やりたいっていう事は基本全部やらせてくれたもんねお母さん」
「そうだった?」
………………犯人はお母さんだな………、、
「A俺より生傷絶えなかったもんなぁ」
慎太郎くんの呟きを聞けば、
うん、めちゃくちゃ想像がつく……
「あれ、これ泣いてる。」
多分小学校低学年くらいの彼女は、ランドセルを背負ったまま顔をぐちゃぐちゃにして泣いている
「あぁそれは……!」
「あははははは!それな〜〜〜〜〜」
慎太郎くんが楽しそうに笑いだす
「なんですか?」
「これね、迷子になってたのよね」
「へぇ」
「でも理由が自業自得すぎてうけんの。」
「理由?」
「もういいってば」
「何かね、ある日同じ道を通るのはつまらないから知らない道を通って帰ろうと思い立ったらしくて。でもどんどん知らない道行くからどんどん違う方向に進んでいって、しかも来た道を戻るのは絶対嫌とかで」
慎太郎くんは笑いを堪えながら話す
「んで、学校から帰ってくるだけなのに迷子になってすげー遠くの町で発見されたっていう」
考え方が今と全然変わってない……
「だからもういいってば……」
「お母さんそれも写真撮ったんですね」
「あはははは、だって面白いじゃない?」
このお母さんあってのこのAってわけね
「もういいから倫也さんもお風呂入ってきなよー」
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南季(プロフ) - るーーさん» るーーさん♪ パラレルワールドでも いつか須藤が幸せになる別話公開できたらと思ってます笑 (2021年1月10日 7時) (レス) id: 9d1c83d910 (このIDを非表示/違反報告)
るーー(プロフ) - 須藤には本当に本当に幸せになってほしいです笑笑 (2021年1月10日 1時) (レス) id: 975a542b74 (このIDを非表示/違反報告)
南季(プロフ) - あすぴーさん» あすぴーさんコメント&最高のお言葉ありがとうございます!須藤愛に溢れて書いてしまいました笑 明日から18に移行します♪ (2021年1月9日 23時) (レス) id: 9d1c83d910 (このIDを非表示/違反報告)
あすぴー - 須藤とのお話さ…さ…最高でした…!倫也さんとのお話も須藤とのお話も大好きです!!! (2021年1月9日 22時) (レス) id: 6a433bb229 (このIDを非表示/違反報告)
南季(プロフ) - みほさん» いつもコメントありがとう♪ 須藤くんは割とそんな感じです笑 明日倫也さんでるかな?また明日お楽しみに〜♪ (2021年1月9日 22時) (レス) id: 9d1c83d910 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:南季 | 作成日時:2020年12月25日 21時