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「………はぁ…A」


布団を頭から被って現実逃避していれば呆れた声が聞こえた


「やだ!絶対痛いもんやだ!!」

「起きて」

「やだ!!」

「痛いんでしょ?」

「でもやだ!!」

「…A……」

「全身麻酔なら行く!!」

「………わかった」


数分して戻ってきた倫也さんは


「出来るって。全身麻酔。」

「…え?」

「子供とかAみたいな人の為にあるって」

「本当、に…?」

「予約しといたから急ご」


ホッとすれば急に力が抜けて
指先の痛さだけが強く主張する



簡単な朝ごはんを食べれば、倫也さんの車の後部座席に座った

倫也さんは帽子にマスクにメガネをしていて


「俺も中まで入るから」


「……、」



病院は日曜日の早朝だからかあまり人はいなく、座っているのもほとんどおじいちゃんおばあちゃんなせいか誰も倫也さんに気づく気配はない


「予約してた瀬野です」


いつの間にか倫也さんが受付していて


「倫也さんて…」

「ん?」

「お父さんみたい」

「……そこは嘘でも旦那さんみたいって言ってよ…」

「あ…ごめん」


頭をポンポンされながら誰もいない角を曲がったベンチに座れば、白衣姿のおじさん先生がやってきた


「あ、瀬野さん!昨日あのまま帰っちゃったけどやっぱり腫れちゃった?」

「あぁ、はい…」

「今日は頑張ろうね!」

「あの、全身麻酔初めてで、よろしくお願いします」

「ん?」

「ん?全身麻酔…」

「Aほら体温測んなよ」

「全身麻酔はないけど、指に局所麻酔するからね、
痛いと思うけど切開に比べたらちょっとは楽だと思うから、ね、」


先生はヒラヒラ手を振って診療室に消えていった


「………」


「………」


「………倫也さん」


「そうでも言わないと来ないじゃん」

「っ!!騙したの!?」

「死なれるよりいいかなって」

「っ最低!嘘つきっ!!」

「体温、測って。」

「やだ!帰る!!」


逃げ出したいのに私の二の腕をがっしり掴んだ倫也さんは座ったままで困った顔をする


「やだ!痛いもん絶対普通の注射より痛いもん!!」

「痛いかもしんないけど、頑張ろ?」

「やだやだやだやだ絶対やだ!!」

「お願い。」

「やだ!」

「あとで何でもしてあげるから」

「何もしてくれなくていいから離してっ!!」


「ママ〜あのお姉ちゃん泣いてるよ〜?」


「………」

「………」


二人で声の方に向けば、小さな男の子に指をさされていた

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設定タグ:中村倫也 , 俳優 , 甘裏   
作品ジャンル:恋愛
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南季(プロフ) - るーーさん» るーーさん♪ パラレルワールドでも いつか須藤が幸せになる別話公開できたらと思ってます笑 (2021年1月10日 7時) (レス) id: 9d1c83d910 (このIDを非表示/違反報告)
るーー(プロフ) - 須藤には本当に本当に幸せになってほしいです笑笑 (2021年1月10日 1時) (レス) id: 975a542b74 (このIDを非表示/違反報告)
南季(プロフ) - あすぴーさん» あすぴーさんコメント&最高のお言葉ありがとうございます!須藤愛に溢れて書いてしまいました笑 明日から18に移行します♪ (2021年1月9日 23時) (レス) id: 9d1c83d910 (このIDを非表示/違反報告)
あすぴー - 須藤とのお話さ…さ…最高でした…!倫也さんとのお話も須藤とのお話も大好きです!!! (2021年1月9日 22時) (レス) id: 6a433bb229 (このIDを非表示/違反報告)
南季(プロフ) - みほさん» いつもコメントありがとう♪ 須藤くんは割とそんな感じです笑 明日倫也さんでるかな?また明日お楽しみに〜♪ (2021年1月9日 22時) (レス) id: 9d1c83d910 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:南季 | 作成日時:2020年12月25日 21時

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