マチノソラ16

816 ページ1

ジュージュー焼ける煙の中、肉を食べてビールを飲んで、ほろ酔いで話す久々の皆との会話は楽しい


「お酒もう無くなりそうですね、私取ってきます」

「ん、俺いくで」

「お手洗いも行きたいので。ビールでいいですか？」

「じゃよろしく〜」


ムロさんはさっき誰かに呼ばれて行ってしまっていて菅田くんと菅田くんの知り合いの俳優さんと話していた私は、一人コテージの中に入った。





トイレを済ませてキッチンのある部屋に入り、腰の高さにある冷蔵庫からしゃがんでビールを数本取り出して抱えると窓から星が見えた



「わ…………綺麗……」



ビールを抱えて部屋を出て廊下を曲がれば
もっと綺麗に見えて







「倫也ぁ」






ふいに聞こえた声に廊下の角からそっと覗けば
誰かがさっきの部屋に入って行った




「酔ってんなら帰んなよ。」


「酔ってないよ。私も手伝う」


「俺一人で持てるから」




倫也さんと、あれは女優さん………？
何度かテレビで見た事あるような気がする

入口からそっと覗けば



「あっ、」


「っ、だから……外でてなよ。」



女の人がぐらりとふらついて倫也さんが支えて体勢を直してあげていて


倫也さんの喋り方になんとなく違和感があって
ザワザワする




「ねぇ、私達さ………」



遮るようにガコン、と冷蔵庫をしゃがんで開けた倫也さんの横に彼女もしゃがんで




「だから繭も…っ」





「……………っ！」








ーーーガコッ！！





落としてしまったビールが転がって



倫也さんと唇を合わせている彼女と目が合った




ゆっくり振り向いた倫也さんとも。





「っ！！ちょっ、！」





立ちあがろうとした倫也さんは女の子にぐいっと引っ張られてよろめいて、私は出口に向かって走った

817→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す