マチノソラ15

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出店は焼きそばにりんご飴や、見たことのない食べ物まで色々売ってて


「なにこれ！初めて見る！」

「あー今年はこういうのが流行ってるんすねぇ」

「くださーい！」

「えっ、食うんすか？」

「だって食べたことないもん」

「さっき結構食べてませんでした？」

「見たことないものは別腹」

「ケーキじゃないんすから………」


見たことのない串に刺さった何かを食べながら
ブラブラ歩く


「うまい？」

「……………うーん……」


食べかけの串を須藤に差し出せば
口だけ寄せて私の手からバクっと食べた


「んー…うん、想像通りっすね」

「ん！あれも見たことない！」

「まだ食うんすか？」


もぐもぐしたままの須藤と私はまた別の店でカップに入った謎麺を食べる


「うん、カリカリ」

「うまいすか？」

「カリカリ。」

「ふふふふふ、あ、射的ありますよ」

「あれ当たったことない」

「俺得意っすよ」

「マジ？じゃあ何か取ってよ」

「大人になると欲しい景品ってなかなか無いっすよね
あ、ぬいぐるみとかいります？」

「一番いらない」

「かわいくね〜」

「ライターは？使えるじゃん」

「そんなん言ったら百均でいいじゃん」

「じゃあ何もないよもう」

「えー」


ぶつぶついいながら須藤はチャリンと300円をおじさんに渡して、弾を込めた


「ん…………」


片手を伸ばした浴衣姿は男らしくてカッコいい


パン！と音がして


「え？取った？」


「へへへ」


おじさんにジッポライターを渡された須藤は持っててと私に渡して2発目を込めた



「マジで得意なんだね」


「普段役に立たないっすけどね」



ジッポとお菓子二つをゲットした私達はまたブラブラと歩く


「須藤はいライター」

「あげます」

「タバコ吸わないもん」

「倫也さん吸うじゃないすか」

「使うかなぁ」

「使わなかったらほらケーキに火つける時に使って」

「年に何回あんのよそれ。お菓子のがほしい」

「これは俺のっす。」

「須藤お菓子好きだよね〜じゃあ半分しよー」

「だから俺のっす」

「めっちゃケチじゃん！」

「俺の金と腕で取りましたからねー」


「ん！チョコバナナ！！」

「チョコバナナも食べたことないんすか？」

「あれは別！お祭りに来たら必ず食べなければ帰れない一品です！」

「なんすかその呪いみたいなの」

「くださーい！！」

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