マチノソラ15

780〜倫也side〜 ページ18

「お疲れっす」


「ごめん突然、」


「ちょうど外出てたんで」


電話をすれば、今車なんすけどよかったらドライブでもします〜？と緊張感のない声が返ってきて

彼女が家にいる時に電話で彼女の話をするよりはいいかと誘いに乗った



「こないだはありがとうございました」


「上手くいったみたいでよかったね。あれからは？」


「お陰様で。心配かけてすみません」


「そりゃよかった。今日はどっか行ってたの？」


「レンタルショップ。」


「へぇ〜須藤くんて何見んの？」


「それ。」



視線を前に向けたまま指されたのは紺色の布製の袋。



「見ていい？」


「どうぞ」


ベリベリとマジックテープを剥がして見れば



「……………、、、AVばっかじゃん。」


「あはははは！映画とかじゃなくてすみません」


「隠すのに一本くらい借りるとかしねぇの？」


「意味あります？それ」


「こーゆーの好きなんだ？」


「また貸しますか？」



「…………やめとく…」


「ん？」


「……………こないだAにバレた…」


「え？どれ？」


「インタビュー2本」


「嘘？せっかく映画のパッケージにフェイクしてあげたのに？」


「…………それ見たい映画だったんだって…」


「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ！すんませんっっ、
それはリサーチ不足でしたっ、」


「笑い事じゃねぇよ。帰ってきたら大画面に映されててみ。マジで焦るから。」


「あっひゃひゃひゃひゃひゃひゃ！！！」


「他人事だと思って……」


「バレたのそっちでまだよかったっすね？」


「お前Aに余計な事言うなよ？」


「あひゃひゃひゃひゃ！っんで？今日は怒られて家出っすか？」


「いや……A、会社で何かあった？」


「え？最近は平和だと思いますけどね？」


「そ…………」


「なになに？」



須藤くんは赤信号で止まってチラリと俺を見た



「…今日、たまたま早く上がれて帰ったら、一人で泣いてて……拒否られて……」


「……………」


「……俺何かしたかなぁ…」


「何したんすか？」


「わかんねぇ……」



信号が青に変わってまた車が動き出す



「2本目見つかったとか？」


「見つけたら嬉々としてからかってくると思う。」


「あ、そんな感じ？」


「え〜会社関係じゃねぇの〜…？」



頭を預けて上をむけば、車が曲がった



「……どこ向かってんの」


「俺んち。」


「…………」


「一緒に見よ？」


「………真面目に聞いてよ須藤くん…」

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