マチノソラ15

773〜倫也side〜 ページ11

ご飯が終われば俺が食器を洗っている内にAはお風呂の準備をしに行って

コップを置きにきたちびっ子からありがとと受けとれば下から睨まれた


「……お前はAと結婚してんの？」


お前、ね。


「結婚はしてないよ」

「じゃあ恋人？」

「そうだね」


「おれは生まれた時からAの事知ってる。5年も前から。お前は何年前からA知ってるの。」

「5年よりは少ないかなぁ」

「ふふんっ、おれはAとデートしたし、一緒に寝たし、風呂も入った。」


「そう」


「おっ ぱいも触らせてくれるし」


「…………。」


「今はお前が恋人でも結婚はおれがするから。」


「………龍之介くんさぁ…」



皿を洗い終えて手を拭いてから、小さな体を見下ろす


「結婚って何だか知ってんの？」

「バカにすんな。」

「じゃあ君いま何歳？」

「5歳。」


「結婚って何歳からできるか知ってる？18歳なの。
だから君はあと13年経たないとできないの。」

「だから何だよ。」

「俺はもう出来んの。今すぐ。もちろんAも。だから13年待つ必要はないの。」


「…っ、でもおれの方がAの事好きだ！」

「あっはははは！！無いね。絶対無い。俺の方が絶対好きだね。」

「じゃあおれはAの事お前の倍好きだ！」

「んじゃあ俺のがそれの10倍好きだね。」

「100倍！」

「1000倍」

「せんっ、じゅ、………っ、」

「1000の次わかんない？」


微笑んで見下ろせば俺を睨みながら涙目になっている


「龍〜お風呂………え？」


涙目の龍之介はやってきたAに
ぎゅ！っと抱きついた


「え？ちょっと、どうしたの？」


「……別に。」


「は？倫也さん何したの！？」


「ただ話してただけだよ」


「泣いてるじゃん！いじめないでよ！」



Aにぎゅっと抱きしめられた龍之介は
俺にだけわかるように舌をべーっと出した




こいつ…………




「もう行こ。お風呂入ろ」
　
「え？二人で入んの？」

「当たり前じゃん」

「いやダメ。絶対。」

「はぁ？」

「入れるなら俺が入れるって。だって男だよこいつ」

「バカじゃないの？」

「だっておっ ぱいとか…」

「最っっっ低。」


「おれこの人やだ。Aがいい。」

「おいお前」

「意地悪してくる人と入りたく無いよね〜？」

「じゃあ俺も一緒に入る。」

「ふざけないで馬鹿っ！！」


Aに手を引かれて歩いていく龍之介は、勝ち誇ったように俺をニヤリと見て風呂場に向かった

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