マチノソラ9

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「ただいま。」



真後ろからした声に振り向けば、


「……………っ！早い！！」

「だって着いちゃったし。あぁ掃除してたの？」

「あ……………、、」

「帰ってくんなっつーから何か見られたらまずいことでもしてんのかと思った」

「……………」

「あはははは、すっげー散らかってんね。」

「いま！今やるので！座ってて下さい！」

「どこに？」



ソファの上には座るスペースなどない。



「ごめんっ、片付けるからダイニングにっ」

「ふふふ、俺も手伝うよ。」

「いや大丈夫疲れてるでしょ、私やるから」

「A、その前にさ」

「？」


ソファの洋服達を抱えて振り向けば



「一回抱きしめてもいい？」



苦笑いしながら両手を広げた倫也さんに、
そういえばものすごく久しぶりに会うのに
おかえりも言っていなかったことに気づく



抱えていたものを床に落として飛び込めば、もう一回ただいま、といわれて、おかえり…と胸に返した。



「……………ねぇ」


「……………ん？」


「ソファでもした？」


「ん？」


「パンツ落ちてる。」


「……………っ！！」



私を抱きしめた倫也さんの視線の先にはピンクのショーツが転がっていて


「違うっ！洗ったやつ！新しいの！！」


慌てて服をかき集めれば、どれが洗濯済みでどれが洗うやつだかわからなくなった


「じゃー俺はキッチンやろうかな。おービールの塔、すげ。」


あぁあああ〜〜〜〜〜〜〜








.









そんなこんなでひと通り片付ければ、二人でベランダでお疲れのビールを開ける。


「大掃除した気分。」

「……………すみません……、、」

「……もしかして普段結構無理してる……？」

「いや、今回は、ちょっとハメを外しすぎたというかなんというか………」

「そうなの？ふふふ、また抜き打ちで帰ってこようかなぁ」

「やめてよ…………」

「面白いAみれた。」

「……………面白いだけ？」

「んーだらしない？」

「……………うん」

「ふふふ、いいよ、大丈夫。」


缶に口をつけながら上目遣いで様子を伺えば、
倫也さんは空を見ていた


「今日は……………？」


「朝までいれるよ。」


「……………そっか……。」


「そうだ何でシーツだけ洗ってたの？汚れるよーなことでもした？」


頬杖をつきながらニヤニヤといやらしい顔で目線を
送られて、ばーかと返せば、どうせ今日また洗うのにと言われてドキリとした。

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