マチノソラ9

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シャワーに入って、倫也さんの待つ寝室に入れば、なんだか久しぶりに顔を見た気がした


心がスッキリとしているのは、多分シャワーのせいじゃない



「明日早いの？」


「いや、昼から」


「毎日行く時間違うのっていいよね」


「そう？」


スマホを充電器に差し込みながらアラームを確認する


「右手使えないの不便だなぁ」


「でしょうね。」


頬杖をつきながら、呆れたように見える顔は優しい


「ごめんってば……聞き飽きたかもしれないけど…。心配ばっかかけてごめんね。」


「かけてもいいけど、ケガすんのは本当に心臓に悪いからやめてね」


「……………はい」


「…………………………」


「なに？」


じーっと無言で見つめる瞳に首を傾げる


「今日はしていいのかなって。」


「なにを？」


「セ ックス。」



「…………そのセリフ違うなぁ。」


「ん？」


「そこはセ ックスじゃなくて、えっち。の方が好きだなあ。」


「……………」


「じゃテイク2！今日はしていいのかなってから！」


「は？」


「スタート！はい！」


「…………、、今日は、していいのかなって………」


戸惑いながらも素直にやってくれる倫也さんが可愛い


「何を？」


「……………えっち？」


「あははは！うん、やっぱその言い方の方が可愛い。じゃあこの後のセリフなら何がいいと思う？」


「……………いいよ。とか？」


「あー私なら違うのかなぁ」


「なに？」


「じゃあ襲って？とかのが良くない？」


「………、、…じゃあテイク3。スタート」


「え？」


「今日はしていいのかなって。」

「いや、待って。」

「カット。テイク4いきまーす。スタート」

「ちょっと！」

「今日はしていいのかなって。」

「だから私は………っ、」

「カット。テイク5、スタート。
今日はしていいのかなって。」


「……………、、何、を……」


「えっち。」


頬杖をついたまま真っ直ぐ無表情で見てくる視線が痛いけど、多分言わないと終わらない。


「…………じゃあ…」


覚悟を決めて、倫也さんの目を見た。


「……………襲っ………………、、て……？」


「……………」


「……………」




「うわっ！！無理！やっぱ恥ずかしい！！」


顔を覆ってベッドから降りようとすれば、ぐんっと腰ごとひっぱられてベッドに仰向けに倒された

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