マチノソラ9

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日曜日は一日大人しくしていたおかげか、月曜日の朝にはすっかり回復していた

今日は出る時間が遅いのか、私が家を出る時間になっても倫也さんは寝室から出てくる事はなかった



「おはよー」

「おはようございます、風邪大丈夫なんすか？」

「うん、熱下がった。」

「手、どうしたんすか？」

「あぁ………、、火傷しちゃって。」

「大丈夫っすか？」

「大丈夫大丈夫、」


ヒリヒリジンジンする右手の包帯を撫でながらパソコンを起動させれば、マウスに右手を乗せた


「痛っ！」

「……………大丈夫すか……」


ちょうど一番痛い場所に当たる。


「大丈夫…………。」






.








定時を過ぎても仕事は終わらない。
金曜に休んだのもあるが、右手が使い物にならなすぎて作業効率が最悪だった。


「手伝いますってー。」

「いい、自分のくらい自分でやる。」

「意地っ張り〜、頑固者〜」

「うるさいっ、帰れ。」

「何をそんなに守ってるんすか？」

「……………」

「無理な時は頼ればいいじゃないすか」

「……………やだ。」

「じゃあ俺が今のAさんみたいな状況だったら、Aさんはどうします？」

「……………、、、。」


左手一本で打っていたキーボードから手を下ろして、ゆっくり振り向いた。


「自分を大切にしなさすぎなんすよAさんは。」

「……………」

「見てる方がしんどい。」

「……………ごめん……。」


須藤に半分渡せば、無駄に残業させてしまっていることにチクリと胸が痛んだ


「火傷だけじゃなさそうですね。」

「？」

「キズ。」


背中合わせで作業をしながら、人のまばらになった
オフィスで須藤の優しい声がする


「……………」

「喧嘩？」

「……………うん。」

「なにしたんすか」

「……私の方がしたのはもう決定事項なの？」

「倫也さんがAさん嫌がる事した事ありました？」

「……………、、、」

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