マチノソラ9

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夜、玄関が開く音がして、パソコンを落として部屋をでた


「おかえりなさい」

「え？寝てたんじゃないの？」

「あ、ちょっとだけ……」

「ただいま、だいぶ回復したんだ？」

「うん」


リビングのソファでぼーっとしてれば、体温計を渡された


「……………もう大丈夫」

「一応測って」


倫也さんは渡してから手を洗いに洗面所に向かった


ピピピッという音がして


「何度？」

「……………そんなに……わっ、」


腕ごと掴まれれば


「は？38.1？上がってんじゃん」

「大丈夫、ごめん、うつるから離してっ、」

「仕事してたわけじゃないよね？」

「……………」

「ちょっともうなにやってんの……」

「ごめん、なんか、落ち着かなくて……」

「身体治すのも仕事の内だよ。」

「……………ごめん。寝るね……」



布団を持って部屋をでれば、ごわごわして通りづらい



「なにやってんの？」

「うつるから自分の部屋で寝る」

「ダメ。ちゃんとベッドで寝な。」

「やだ」

「ダメだって。」

「うつしたくない」

「だったら今日なんでちゃんと寝てなかったの。」

「……………っ、」

「ね？ちゃんと休んで早く治して。じゃないとAの大好きなちゅーもできないよ」



「……………っ、」

「え？」

「…………っ、ご、めっ、」

「え、ちょっと、え？？」

「ごめっん、倫也さっ、」

「ちょっと、何で泣く？ごめん、嘘嘘、冗談だって」

「……………っ、」

「A、怒ってないから、ごめん、泣かないで？」



何で泣いてるのかもわからない

泣けば更に頭がボーっとしてフラフラする

いつの間にか抱えられてベッドに寝かされて


「…倫也、さん………」

「大丈夫、もう寝な。」


布団掛けられて、ぼーっとしたまま意識が薄れた

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