マチノソラ9

446 ページ9

試写会の舞台挨拶に、出ることになってしまった


「Aさん、ガッチガチやな。」


「ガッチガチだよ！ガックガクだよ！！当たり前じゃん！！」


「あはははは、別にそんな緊張せんでも大丈夫やって聞かれたこと答えればええだけやしそんな話振られへんと思うけどな」


「………私なんか言っちゃいけないこと言いそう…」


「倫也さん？」


「さすがにそれはないけど………」


「あぁキスシーンどうでしたかとか？」


「……………なんて答えたらいいの………？」


「…………実際どうだったん？」


「……………、、」


「うんその顔はあかんね。あははははは！」


「やっぱ、降りれないかな……………、、」


「例のスポンサーさん来てるからなぁ」


「模範！模範回答下さい！！」


「あははは！え〜〜そんなんわからんわぁ」


「菅田くぅうんお願いぃい！！」


「あーなんやろ、菅田くんがかっこよすぎて好きになりましたとか？」


「一番だめなやつ！倫也さんにも菅田くんのファンにも殺される！！」


「あははははは！あ、呼ばれたな」


「嘘！ねぇ！ちょっと！」




その後の舞台挨拶は、
出る直前、菅田くんに、原作者なんやからそっち目線で答えたらええやんと言われて、そうだよなと変に落ち着いた







.








「お疲れさま、全然落ち着いてたやん」


無事に終わって控室までの廊下にでれば、


「……今になって心臓バクバクしてる……」


「あはははは、打ち上げは？いける？」


「いける！」






.








打ち上げ会場は、いつもみたいな身内だけじゃなくて様々な関係者で溢れていた

居酒屋でなくホテルでやるってパーティーだなこれは


主演の菅田君はもちろん私といるわけもなく。

色んな大人達に囲まれている時の菅田君は、さっきの菅田くんとは違う顔してるなぁ、
なんてシャンパンを傾ければ、なんだこれすんごく美味しいぞ。

これはもう、食事とお酒を楽しもう。



「瀬野さん？」


「へ？」


美味しいチーズを咥えたタイミングのせいで、間抜けな声で振り向いた

447→←445

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す