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「……………さっきの飲みましたか」
「…………うん」
「俺のとって下さい」
ビニール袋からキャップを外して渡せば、ゴッゴッゴッと一気に水を流し込む音が聞こえた。
「……………」
「……………」
「……………」
「…………倫也さんとは、ちゃんと話したんですか」
あの後、多分倫也さんは須藤に詳しい事情を聞いたに違いない。
そしてこの空気に先に根をあげたのは向こうのようだ
「……………………まだ…。」
「………俺の言った意味わかりました…?」
「……………」
「…………まだわかんないんすか」
「わかってる……………」
「わかってるならちゃんと謝りに行けばいいじゃないですか」
「……………」
「……悪いと思ってないから行けないんでしょ?」
倫也さんにも言われた同じ言葉。
逃げたくても閉鎖された蒸し暑いこの車の中には逃げ場がどこにもなくて、うだるような暑さだけが全身を包む。
「倫也さんだっていちいち怒ったり制限したりしたくないんすよ。そういうのわかりますか?」
「元彼の件で学んだんだと思ってましたけど俺は。」
「自分が同じ事されたらって考えたことあります?」
「柊木さんはいい人ですよ。でもそんなん関係ないってそろそろわかって下さい。」
「聞いてます?」
「Aさん?」
「……Aさん?え?ちょっと…………Aさん?」
しばらくすれば車が止まってカチカチとハザードランプの音がする。
目の前が真っ白で……気持ち悪い………
「Aさん?聞こえます!?Aさん!?」
須藤の顔がドアップになって頬を叩かれる
「まだあったかな水……、は?ちょっとこれ俺がさっきあげたやつ2つとも開けてないじゃないっすか!」
また 怒ってる……………
「なにやってんすかマジで!!バカなんすか!?ほら飲んで!!」
「…………大丈夫……………、、」
「大丈夫じゃねぇからわざわざ高速で車止めてんだよいいから飲め!!」
口に無理やり入れられた水が顔を流れるのがわかった
「Aさん!Aさんって!一口でいいから飲み込んでください!!」
意識が だんだん 遠のいていく
「Aさんって!目開けて!!Aさん!!
あ〜〜〜〜〜〜〜もうふざけんなよくそっ!!!!」
目の前が暗くなって、いつもと違う味がした
.
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南季(プロフ) - りくさん» この後もまだ出てきます笑 (2021年10月8日 18時) (レス) id: fd1cbec3c0 (このIDを非表示/違反報告)
りく - トイレネタ多すぎません? (2021年10月8日 18時) (レス) @page49 id: ae37844b20 (このIDを非表示/違反報告)
南季(プロフ) - ぱんださん» ぱんださんめちゃくちゃ嬉しいコメントありがとうございます!夜の部多くてすみません…何とか妄想力で補って読み進めてみて下さい…笑 (2020年10月15日 5時) (レス) id: 7d54d4568a (このIDを非表示/違反報告)
ぱんだ - くっ、悔しいぃ泣泣泣 夜の部見れない、、、でも普通のめっちゃおもろいから許す←←←てめぇだれだよ あ、面白くて、5まで一気読み中でございます!頑張って下さい! (2020年10月14日 22時) (レス) id: 71bc003a51 (このIDを非表示/違反報告)
南季(プロフ) - yuki sさん» 5まで読んでくれたんですね!ありがとうございます♪なるほどそんな風に見えましたか笑 確かに女友達出してませんね〜せっかくだから素敵男子達に囲まれた日々を描きたかったんだと思いますすみません笑 須藤くん私も好きすぎてパラレルワールド描きたくなってます笑 (2020年8月28日 21時) (レス) id: 60f5434b3e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:南季 | 作成日時:2020年5月18日 19時