マチノソラ5

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「うわっ…うっ、、」

去年全米一位を獲ったという、ぐろいパニックホラー映画は後半に向かうにつれて盛り上がりを見せていた

私はソファの下に座った倫也さんの脚の間にすっぽりはまりながら、彼の腕を掴んで画面に夢中になっていた。


「わぁっ！無理！うわ！」


思わず声をあげる私に無表情で頬杖をつく倫也さんは何も言わず片腕を貸していた。

CMに入れば、はぁー……と力を抜く


「そんな怖いなら見なきゃいいのに」

「…………これは予想以上…」

「すんごい力で腕掴んでたもんね」

「…バクバクしてる」

「やめる？」

「ここまできて？」

「夜一人でトイレ行けなくならない？」

「そこまで子供じゃないですー」



暫くしてまた始まった薄暗い画面にぎゅうっと掴む。画面が変わるたびに身体を揺らす私に、倫也さんの手が伸びて


「わわっ！」


いつの間にか服の下に掌が潜り込んでくる


「んっ、ちょっ、きゃあっ！」


手を摑みながらも画面からは目が離せない


「ひっ！」


思わず倫也さんの胸に抱きつくと、モンスターはじりじりと距離をつめてくる


「うぅ……っ、、。んっ、」


恐怖の中服の下でサワサワと動く掌がくすぐったい


「ちょっとやめっ、うわぁあっ！」


掌を邪魔そうに払ってからまたぎゅっ！と縋り付けば、床にそのまま押し倒された


「えっ！？ちょっと今一番いいとこ！！」


「じゃあそのまま見てれば。」


首元にキスが降りてきて、それでも画面からは目を離せない

「うわっ、んっ、ちょっとやめて倫也さっ、きゃあああっ！」


「忙しいねぇ…………」


ちゅ。ちゅと身体中にゆっくりキスをばら撒いていく


「やめてってば！！見れない！んっ、」


首、鎖骨、脇腹、お臍と一つずつ落として、かかる息が温かい


「ちょっ、と！！」


両手で顔を押し返しながらも画面から離れない目が悔しいのか、全身をサワサワと指が動く


「やだってば！映画！！」

「本当に脈早くなってんだね」

「うわっ！んっ、」

「どっちにドキ ドキしてんの？」

「映画に決まってるでしょ！ほらみて今一番すごいとっ、んっ！うわっ！ええっ！来る来る！逃げてっ！」


愛撫されてることも忘れて映画に全部もっていかれれば、集中しすぎて動かなくなった身体に、ちゅ、ちゅとキスだけが増えていった

口を開けたまま迎えたクライマックスに、最怖の見せ場が繰り広げられ、もはや抵抗することも忘れて映画に釘付けになっていた

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