空の街

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『……んで、一日ホラー三昧したんすか？』

「…うん」

『で、余計な事考えなかった代わりに眠れなくなって電話したと』

「だって電話していいって…」


部屋を片付け始めたら逆に色んな事を思い出してきて
また飲み込まれる前にと映画をつけて片っ端から見まくったホラーが


『いや昨日かかってこなかったから大丈夫だったんだなって思ってたんすけど、ふふふ…っ、まさか今日追いホラーして自爆すんのはさすがに予想外だなぁって』

「映画見たら紛れるって言ったの須藤じゃん！」

『はいはいそーっすね全部俺のせいです。んで何見たんすか？』

「……………残穢とか」

『あー！あれ面白いっすよね！何か今までとは違う怖さっていうか』

「ね…あれってノンフィクションじゃないよね…？」

『は？』

「だって何かあれさ…、」

『あーどうっすかねぇ確か実際にあの場所…』

「えっ！？そうなのあるの！？だったら見ちゃった私
やばいよね、だって、」

『あひゃひゃひゃひゃひゃ！』

「やだ何怖いどっち！！？」

『バーーーーーーーーーーーーーカ。』

「……」

『コメディもう一本見れば？』

「今から寝たら明日に響く」

『あー確かに明日万全じゃないのはきついっすね』

「ゔゔぅ……、、」

『ふふふ……今なにしてんの？』

「明かり全部つけてベッドの中」

『頭まですっぽり？』

「ぽり。何か話して」

『じゃーこないだ読んだ哲学書の話でもいいっすか』

「……つまんなそう」

『まぁ哲学ってとっつきにくそうに見えますけど、ちゃんと読んでくと言ってる事はわかるなってなるんすよ。思考回路っていうかそれが……』


喋る須藤の声は子守唄にしかならなくて、相槌をうっているのに何を言っているのか全然わからなくて、ただただ声だけが聞こえていた

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