14 ページ14
会社をでれば、夕陽でビルが赤く染まっていた。
「メシいきます?」
「んー今日はパス。予定ある。」
「何ですか?」
「ひみつー♡じゃおつかれー」
今日は倫也さんが番宣の為にでるバラエティの放送日。リアルタイムでばっちり見るんだから。
駅から家までは徒歩20分くらい。大きめな公園の中を通れば、小さな子の手を引くお母さんがまばらに歩いていた。
ご飯なにがいい?オムライス!と可愛い掛け合いが聞こえて、思わず微笑む。
「いいなぁ……。あ。」
ベンチに腰掛けノートとペンを出して、
不意に広がる景色と会話を素早くメモしていく。
「ふふ、、」
さっきの親子が瞬く間に脳内を歩き始めた。
「………Aちゃん?」
聞き慣れた声に顔をあげれば、黒いTシャツに深めに被った帽子の……………
「お、お疲れ様です!」
え?いまAちゃんって言った?
「こんなとこでなにしてんの?」
「えっと、脳内プリントを………」
「ぶはっ、なにそれ」
「あの、この間はすみませんでした!」
「二日酔い大丈夫だった?」
「………寝坊して会社遅刻しました……」
「あらら、まぁすんごい酔ってたもんねぇ」
「あの、私、途中から記憶なくて……………、なんか失礼なことしてたらすみません」
「覚えてないの?あーんなことやこーんなこともしたのに?」
「へ!?」
「あはは嘘嘘。うち近所だったし。部屋まで運んだだけだから気にしないで」
「え?中村さんが運んだんですか………?」
「あ、中村さんに戻っちゃうの?ずっと倫也さん倫也さん言ってくれてたのに」
「すっ、すみません、私っ、、」
顔が熱くてあげられない。
あの日の自分を滅したい。
「プリントは完了したの?」
「あ、いやまだ……………」
「じゃあ続きどうぞ」
そういうとベンチの横に腰掛けて、片手に持っていた飲み物をゆっくり飲み始めた
「あ……………はい………」
あぁ、追いつかない。
書けば書くほど、どんどん進んでいく場面ややりとりが、動くペンより速くてもどかしい
「すご……………」
呟いた倫也さんの声は全く入ってこなくて、追いかけることだけに必死になる
「え、そうくる……………」
自分の予想外の展開に転がれば、ワクッと胸が疼いて身体が熱くなる
974人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
南季(プロフ) - 葵花さん» 葵花さん2周目&嬉しい言葉ありがとうございます!須藤はずっとそんな感じですよね…笑 長い旅になりますがゆっくりまわってきて下さい♪ (2021年11月1日 6時) (レス) id: 3a2f744c0e (このIDを非表示/違反報告)
葵花(プロフ) - 久しぶりにキュンキュンしたいと思い、2周目にやってまいりました!!このころからもう、須藤が可哀想で、、倫也さんは尊いし、倫也さんに対しても、この作品に対しても、好きという言葉が止まりません!! (2021年11月1日 3時) (レス) id: 8ffe339636 (このIDを非表示/違反報告)
南季(プロフ) - ゆみゆみさん» ゆみゆみさん、最後まで大事に読んでくれてありがとうこざいました。大切な仲間って言ってくれて嬉しいです。また何度でも彼らに会いに来て下さい♪この先のお話は、またいつか♪♪♪嬉しい気持ち伝えてくれて、ありがとうございました! (2021年8月16日 21時) (レス) id: 5c3131b6c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆみゆみ(プロフ) - 南季ちゃん、さっきやっと全部読み終えました。大好きなお話だから大切に大切に読んで、私の中でみんな大切な仲間で、倫也さんもやさんで、ともやさんじゃなくてやっぱりともやさんで(笑) この世界が大好きすぎて、ロス状態です。また会いたいなぁ。 (2021年8月16日 21時) (レス) id: 41c9e973f0 (このIDを非表示/違反報告)
南季(プロフ) - まさかのましゃかど!さん» こちらにもコメント嬉しいです!携帯壊さないように気をつけて下さいね笑♪ 今日分今から更新しますね♪ (2021年3月22日 22時) (レス) id: 80e9fd99a6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:南季 | 作成日時:2020年3月29日 14時