浪速漢組の青春物語3 (ページ50)

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、

(side 道枝)

俺のバイト先に現れたAさんは

どうやら悩みごとがあるらしく
机の上で項垂れている。

いつも人の世話ばっかり焼いてるのに
珍しいなあ、なんて

声をかけてみたけど、
俺には解決できる問題ではなさそう。

「恋煩い、ちゃう？」

ことん、とキッチンからカウンターに
ケーキの乗ったお皿を出した神山さんが俺に言う。

「前来た時、ちょっとなんか
ありそうやったからさ」

ま、憶測でこれ以上言うのは良くないか

と俺に背を向けて作業に戻る。

俺はケーキと飲み物を彼女に運びながら

前来た時、のさす日と

その日に彼女が一緒に来た人物のことを考えていた。

大橋くん…は別になんもなさそうやったしな…

となると

「恭平くん？」

『へ？』

声に出ていたようで彼女がガバッと起き上がって反応する。

申し訳ない気持ちと同時に
これは、恭平くんのことで間違いないと確信した。

＊＊＊
いつもありがとうございます。
お話がいっぱいになりましたので移行させていただきます。